冷え性
冷え性の大切なポイント
- 内臓を中心とした基礎代謝を上げる
- 頭をゆるめて副交感神経を優位に誘導する
- 身体の使い方を小手先から体幹主導にする感覚を養う
冷え性は一言でいえば、、、「代謝不足」。
「代謝」とは細胞が血液から栄養分を得て、生命活動を行うこと。
実は、寝る時に足が火照るような人も「冷え性」です。
私もずっと「冷え性」に悩んできました。
子供の頃は毎年、手足にできる霜焼けが痒くてしょうがなかった記憶があります。
運動やスポーツは人一倍やっていたのにです。
運動をすると全身の筋肉組織の代謝があがるので、熱が出ます。
でもずっと運動し続けることはできませんよね。
どうやらただ運動をするだけでは、代謝不足は根本的に解消できなさそうです。
では、どうして『冷え性』になるのでしょうか?
どうして『冷え性』になるのか?
まずは、冷え性を理解するために欠かせない代謝のポイントを2つ挙げたいと思います。
①代謝は細胞ごとに行なう
私たちの身体が生きるために代謝を行っていると36.5〜37度くらいの排出熱が出てきます。
これがいわゆる「体温」 です。
つまり、「体温」は身体のそれぞれの場所でそれぞれの細胞が作るものです。
足が冷える人は、足の代謝が滞る要因があるはずです。
手が冷える人は、手の代謝が滞る要因があるはずなのです。
そして
『低体温』の人は、身体全体として代謝力が滞る要因があると観ることができます。
②代謝は要らないものを出すほうが先
細胞は血液から必要な栄養を得て→血液に要らなくなったものを捨てる、というイメージが強いと思います。
でも、要らないものを先に出すほうが優先順位が高く、代謝を上げるためには重要です。
細胞はホルモンを使って欲しいものを要求します。
でも細胞が要らなくなったものを溜め込んでしまうと、お腹いっぱいで何が欲しいのかわからなくなってしまいます。
老廃物を溜めこまずに、しっかり排出することで、本当に欲しいものを細胞自身が要求してきます。
それに対して身体は必要なものを消化吸収してくれます。
代謝の中でも「基礎代謝」に着目する
“生きる”ために最低限必要な生命活動のことを特に「基礎代謝」といいます。
60兆もの細胞が共同生活を送る身体に必要な活動は、、、
- ホメオスタシス→身体の中を一定の環境に維持する
- リモデリング→古くなったり、ダメになった細胞を新しく作り変える
この仕事をしっかりするには【老廃物の排出】と【栄養の吸収】というエネルギー循環が不可欠です。
だから「基礎代謝」を上げるためには、呼吸・消化吸収・血液循環・体温維持などの、特に内臓が行なっているエネルギー循環を改善することが重要になります。
内臓を動かしているのも筋肉。
基礎代謝を上げるために筋トレで筋力アップということが勧められますよね。
同じように内臓の筋肉がしっかり働くことで身体の内側から基礎代謝を高めることができます。
自律神経が「血液の行方」を決めている。
内臓の働きは自律神経の中でも「副交感神経」が優位になった時に活発になります。
自律神経はリラックスと緊張をコントロールしてくれています。
そしてそれはより具体的に言えば、【血液の行方を決めている】のです。
そもそもの発生起源は”交感神経”と”副交感神経”一緒ではなく、”副交感神経”が先と言われています。
それは、”副交感神経”が”生きる”ための本質的な機能をコントロールしてくれているからです。
”副交感神経”は
- 身体をリラックスさせながら
- 内臓の呼吸・消化吸収を通して血液を作ってきれいにしながら、
- 内臓を中心に体液を循環させてくれます。
いっぽう、交感神経は新しい機能に必要な血液を内臓から”外側”へ引っ張っていきます。
人間では特に発達した「脳」に血液が向かい、その結果身体は「緊張」に傾く傾向があります。
つまり内臓の活動を活性化するには、、、
・自律神経を副交感神経優位に変えていく
・頭の活動を抑える、頭をしっかり休める
この2点がどうしても必要です。
血液を手や足の末端にまでしっかり循環させるには?
運動をすると身体の熱量が上がって、手足が温かくなります。
でも「冷え性」の人は運動をやめると、すぐにもとに戻ってしまいます。
身体の中で血液が優先的に運ばれるのは「意識がある場所」と「実際に使われている場所」です。
つまり運動をすると使っている筋肉の血液循環が少しだけ高まります。
ということは、、、
日常生活の中で、手足をもっと「意識があって」「実際に使われる」場所にすれば冷え性が変わるはずです。
「つま先優位」や「足首の歪みや捻れ」などは、こういった問題がまさに血液循環の問題に繋がってしまいます。
足の指を甲側に思いっきり反らしてみてください。
次は、逆に足裏側に思いっきり曲げてみてください。
例えば、
歩くときにこの足の指の反らす⇄曲げるの幅を大きく使って歩くことができると、「意識があって」「実際に使われる」場所になって、血液を呼び込みます。
この動きの幅の分だけ、筋肉の伸縮が起こって結果として、血液を循環させる大きなポンプ作用になります。
身体を使うための少しの感覚トレーニングと身体を使えるための調整
整体では、骨格の歪みを整えます。
歪んでいる関節は使いたくても使えない状態で硬直してしまっているからです。
使える状態にすること。
そして、
使えるようになった身体を「意識があって」「実際に使われる」場所にすることが調整の意義です。
「意識があって」「実際に使われる」場所になると、
血液を呼び込むだけでなく、使った血液を心臓に返すためのポンプ機能も飛躍的に上がります。
これによって
日常生活の中でも体液循環が高まって、内臓が働いて血液がきれいになり、身体がリラックスしやすくなります。
”冷え性”は内臓・副交感神経・身体の使い方などを見直すことで、多いに変わりうるものです。