顎関節症
顎関節症の大切なポイント
- 側頭骨の位置異常を改善する
- 自立神経のバランスを整える
- むくみや冷えを起こす”腎臓系統”を調整する
顎関節症の特徴は「あごが鳴る(クラック音)」「口が大きく開かない」「痛み」。
女性にも多く、くいしばりや歯ぎしり、片噛み癖や噛み合わせの問題を伴うことが多いので、マウスピースを作って対応する方も多くいます。
私も中学生から20代後半まで、顎関節症に悩みましたので、辛さはよくわかります。
でも私も現在は痛みも口が開かないこともまったくありません。
顎関節に違和感を起こしやすい最大の理由は、構造的特徴にあります。
『1つの「下顎骨(顎の骨)」が左右2つの「側頭骨(耳が付く骨)」をつなぐ』
だから2つある側頭骨の位置に左右で歪みが生じると、下顎骨は左右の側頭骨に架け橋を渡すことができなくなります。
実は、側頭骨はいろいろな要素で歪みが出やすい場所です。
一般的な顎関節症のタイプ
まずは、一般的に知られている顎関節症のタイプを下にまとめました。
・筋肉の障害によって起こるタイプ(Ⅰ型)
→咀嚼筋(咬筋、側頭筋、内側翼突筋、外側翼突筋)などが何らかの原因で緊張して血液循環が悪くなる
・関節包・靱帯の障害によって起こるタイプ(Ⅱ型)
→顎関節の関節包や靱帯などに力が加わることで捻挫したようになり関節包炎、滑膜炎などの炎症を起こす
・関節円板の障害によって起こるタイプ(Ⅲ型)
→関節円板が本来の位置から前にずれたままになってしまう。特にこの位置異常がクラック音や動きのロックの原因となる
・変形性関節症によって起こるタイプ(Ⅳ型)
→顎関節に繰り返し強い負荷がかけられた場合に力学的対応で関節面に新しい骨が形成される
側頭骨を歪める理由① 頭蓋骨の動きと連動性
どうして側頭骨の左右の位置はおかしくなってしまうのか?
頭はひと続きの骨ではなくておよそ26個の骨が繋がって動いています。
側橈骨はその中の左右2つの骨で、頭のゆがみや連動性に引っ張られて簡単に位置がおかしくなってしまう可能性があります。
その中でも、特にポイントに挙げられるのが[後頭骨]です。
頭はまず後頭骨が首の背骨の上に乗るようになっています。
後頭骨が首の骨の真上にしっかり乗っていないと、後頭骨は落ちたり傾いたりしてしまいます。
これが後頭骨のゆがみです。
側頭骨は後頭骨の左と右に1つづつ関節しています。
だから後頭骨が歪むと隣り合う側頭骨の位置は左右で簡単におかしくなってきます。
さらに、このゆがみが、
首の付け根の筋肉の硬直を生み、首の痛みや根強いコリとして出てきます。
後頭骨には呼吸活動や体温調節、自律神経などの”生きる脳【脳幹】”も入っています。
後頭骨のゆがみ
- →側頭骨の位置異常を引き起こす
- →肩や首の筋肉の硬直や自律神経の緊張
などにも繋がり顎関節症を引き起こす大きな要因になります。
側頭骨を歪める理由② 咬筋・側頭筋のアンバランス
顎を動かずメインの筋肉に[咬筋]と[側頭筋]があります。
[咬筋]の筋肉は、実は腰に関連した多くの調整ポイントがあります。
このことからも分かるように、
[咬筋]の使い方は単純に”噛む”という動作に携わっているだけではなく、身体の中心・要になる腰の状態を色濃く反映しています。
どうして顎の使い方がアンバランスになってしまうのかな??
と不思議に感じたり、あきらめてしまうのは、
こんな身体の遠隔的な連動性が働いているからということがあります。
また[側頭筋]は首の横の筋肉のコリにとても関連しています。
首の左右のバランスが崩れると[側頭筋]も連動してバランスが崩れます。
つまり顎の使い方を見直すためには、全身の筋肉のバランスと連動性をしっかり見直す必要があるのです。
側頭骨を歪める要素③ 「耳」は腎臓系統の急所
側頭骨には「耳」が付いています。
東洋医学や整体では、「耳」は腎臓系統の急所。
そして腎臓系統の不調は身体の『捻れ(ねじれ)』を引き起こすと観たりします。
腎臓系統というのは身体を『水分』を使ってコントロールしてくれる機能です。
・老廃物の排出作用→身体に必要なもの必要ないものを選別して排出する
・身体の水分調節作用→調節するのにぞうきんを絞るように身体は「捻れ」やすくなる
まっすぐ前を向いたときの耳の位置で側頭骨の歪みは簡単にチェックできます。
【むくみ】や【身体の冷え】体質の人は、腎臓系統の機能に問題があり、結果として身体の捻れが出やすいものです。
整体では腎臓系統の急所として、足裏・脇の下・脇腹・下肢の内側、そして側頭骨などをよく観ます。
顎関節は、顎だけの問題ではなく、全身のバランスや身体の内側の機能まで着目して構造的に左右の側頭骨の歪みを調整することで本質的に解消をしていきます。