椎間板ヘルニア
ヘルニアの大切なポイント
- 重力に乗る身体の軸をしっかり作る
- 筋骨格のゆがみを調整し改善する
- 内臓下垂を改善し、背骨の”前”からの負担を取り除く
皆さんもよく耳にしている【椎間板ヘルニア】。
腰痛、座骨神経痛、股関節痛、下肢のしびれ、歩行障害などの要因として知られています。
ヘルニアは『あるべきところから脱出した状態』という意味の言葉です。
だから
鼠径ヘルニア(脱腸)臍ヘルニア(出べそ)腹壁ヘルニア (臓器が腹壁外へと脱出した状態)などいろいろあります。
話が反れましたが、椎間板とは、背骨と背骨の間にある弾力のある組織です。
椎間板ヘルニアとは、椎間板が押し潰されて背骨から飛び出した状態のことをいいます。
そして飛び出した椎間板が神経の通りを邪魔してしまうと、腰痛や座骨神経痛などが起こります。
第4腰椎(L4)と第5腰椎(L5)間、第5腰椎(L5)と第一仙椎(S1)間によく観られます。
でも実は、
ヘルニアと症状は意外に関連性が低いことが解明されてきています。
これはどういうことでしょうか?
これに関しては、後で触れていきます。
椎間板はなぜ潰れてしまうのか?
さて、どうして椎間板は潰れてしまうのでしょうか?
一般的に椎間板が潰れる理由としては
①椎間板は歳とともに劣化していく②スポーツなどで負荷がかかるなどの認識があるかと思います。
でももっと大きな要因は『筋肉の補正作用』と『背骨自体の可動性の差』。
この2つの要素は簡単にいうと『姿勢が悪い』『動きの質が悪い』ということです。
・『筋肉の補正作用』
縦に積み上がっている背骨が安定していないと、背骨を安定させるために筋肉が過剰に働く。
この筋肉の補正作用で、背骨は上下に圧縮されるために潰れやすくなる。
・『背骨自体の可動性の差』
例えば、、、一カ所の背骨と背骨の間の関節が何らかの要因で動かなくなったとします。
すると、その隣にある関節は2倍の動かないと、同じ動きができなくなり、その関節は無理が掛かりやすくなり、潰れやすくなります。
椎間板の潰れる要因は日常の『姿勢』や『使い方』にこそ隠れています。
ヘルニアがあっても症状が出ない人の方が多い
腰痛を訴える方は非常に多くいらっしゃいます。
でも、
ヘルニアが具体的な要因になっている割合は3割程度と言われています。
逆にヘルニアなどの物理的な病状を持っていても、なんの自覚症状もない方のほうが多いという調査結果も出ています。
では、どうして神経症状として感じるのでしょうか?
神経はそもそも柔軟性とても高く、神経は圧迫されづらいという特徴があります。
潰そうとしても神経は逃げることができますが、症状として顔を出すのは神経が引き延ばされた場合です。
神経を引き延ばす要因として影響が大きい【身体の捻れ】と【神経沿いの筋肉の硬直】を見直すだけでヘルニアがあっても問題なく付き合っていけるという状態に回復することは存外多いです。
筋肉・骨格の歪みを観る
座骨神経痛や下肢のしびれは下肢、特にお尻の筋肉をほぐすと改善に向かうことがよくあります。
この理由として
-
- 座骨神経が硬直した股関節周辺の筋肉に引っかかる
<li>座骨神経が歪んだ大腿骨や背骨で引っかかる
骨盤、股関節などの関節と多くの筋肉が存在するお尻は神経を遠回りさせて引き延ばす要素がたくさん考えられます。
どうして筋肉は強く硬直してしまうのでしょうか?
筋肉というのは骨格を【動かす】か【支える】ときに働く組織です。
特に筋肉が得意とするのは【動く】ほう。
だから【支える】仕事が増えるほど、筋肉は強くて慢性的な硬直を生みます。
骨格の歪みが大きいほど、筋肉の【支える】仕事は劇的に増えます。
特に【身体が捻れる】歪みは神経を引き延ばしやすい歪みです。
座骨神経は骨盤・股関節・膝関節・足関節などの多くの関節をまたぐので、それぞれの関節の『捻れ』調整が有効です。
内蔵が下垂すると腰椎に過剰な負担がかかる
腰椎の前には消化器があります。
消化器は膜と繋がって背骨に”ぶら下がって”います。
だから、
内蔵が『下垂』すると、骨盤の上に落ちて、背骨は内蔵に引っ張られます。
実は、内臓下垂はヘルニアだけでなく腰痛の最大の原因と言ってもよいです。
消化器が下垂して引っ張る分、腰の筋肉で支え続けなくてはいけなくなるのです。
こうして腰が内臓の【支え】に働くと、背骨とその間にある椎間板に圧迫力がかかります。
内臓の不調はヘルニアや、神経異常を引き起こしやすくなる最大の要因です。
首の椎間板ヘルニアは腕のしびれや痛みを誘発します。
これも腰と同様に、胸郭、肺の活動性と下垂がとても大切なポイントになります。
当院では、そもそもの椎間板の負担を変えていくための全身的な問題を改善していきます。
①筋骨格を多角的にリリースすると共に、
②内臓機能を高め、
さらに
③背骨がしっかり重力を感知する【軸】として機能させることを一番の主眼としています。