姿勢を変えるための視点とは?
そもそも姿勢とはどうして決まるのか?
姿勢が悪いと多くの方が気にしれます。
私も相当な猫背で、何とかよくしたいといろいろなことをしてきました。
良くも悪くも姿勢というのは【今までのあなたの生活に最適化されて形状記憶された”カタチ”】です。
だから姿勢を変えるには、最適化された形状記憶を解除する必要があります。
そのためにどこに着目していくのか?
少し身体を広く観てあげる必要があります。
骨が悪いのか?
よく骨格の歪みや骨盤の歪みなどの”骨”の配列が問題にされます。
カタチというとやっぱりここが一番にわかりやすく気になります。
でも当たり前のことですが、骨は【自分で動けません】。
筋肉が悪いのか?
筋肉が伸び縮みすることで骨が動きます。
筋肉が”縮んだまま”になってしまえば、骨も筋肉の縮んだ状態に応じて、その状態のままロックして骨の歪みを起こします。
それによって姿勢(形)も悪いまま記憶されます。
でもこれも当たり前ですが、筋肉は【指令を受けて動いています】。
では筋肉に指令を出しているのは?
筋肉に指令を出して動かしているのは脳・脊髄などの神経系です。
その中でも姿勢(カタチ)は【無意識】の領域で全身に指令が出されて維持されます。
【無意識】で働くのは、骨の近くで奥にある筋肉(インナーマッスル)がメインです。
胸を張ったり、あごを引いたりと意識で姿勢をよくしようとしますが、姿勢は意識して力ずくで変えるのはとても難しいのはこのためです。
姿勢を変えるには無意識の領域にある神経の指令を変える必要があります。
では一番の問題は神経系でしょうか?
ここでもう一歩踏み込んで考えたいことは、
神経は【感覚情報を頼りにして】指令を出しているということ。
つまり姿勢のコントロールは、
⑴身体のいろいろなところから届く【感覚情報】をまとめて、
↓ ↓ ↓
⑵生活するのに最適と思われる指令を出して、
↓ ↓ ↓
⑶それに応じて筋肉が働いて、骨を動かして、
↓ ↓ ↓
⑷骨の位置がコントロールされて姿勢(カタチ)となる
骨と骨の間にある関節には、重力を感覚する【姿勢感覚器】がたくさんあります。
まずは姿勢がどうなっているかという情報を集めるこの感覚を活性化していくことが大事です。
これができると【姿勢】やその延長線上にある【動き】の質が変わってきます。
姿勢は学習で変えられる。
実は、この身体の感覚情報を集める・感じることこそ学習になります。
【姿勢の基本】は親からの学習によって獲得する要素がとても大きいのです。
私たちは赤ちゃんの頃から、お父さん・お母さんをずっと観察し続けて、お父さん・お母さんの【まね】をして学習して覚えます。
子供の【姿勢】は親の身体の『さばき方』が絶対的なお手本なのです。
姿勢が【学習】だと考えれば、少し見方が変わってきませんか?
姿勢は【学習】し直すことで変えられます。
子供ときから親の姿勢を【学習】してきた歴史があります。
何十年も疑いも無く【無意識】で使ってきた結果として、形状記憶された”今”の姿勢があります。
ずっと日常生活の『当たり前=基準』にしてきたカタチです。
姿勢を学習し直すときは、【重力】を基準にして身体の感覚を学習していくことが重要です。
【重力】というのは地球のエネルギーです。
姿勢の基準を地球のエネルギーに設定し直すように学習し直していきます。
生活で最重要なことが姿勢(カタチ)になる
姿勢を【重力】を基準に学習するということは、地球で”生きる”ということを重要に考えるとも言えます。
私たちの身体は【重力】をしっかり受けることで代謝があがるようにできています。
特に内臓を中心とした”生きるため”の機能は重力がとても大事です。
食べ過ぎたりお腹が痛かったりしたら、私たちは自然とそれをかばって背中を丸めます。
【内臓】の不調があると、重力に乗ろうとしても内臓から拒絶されてしまいます。
逆に言うと内臓が改善されれば姿勢が良くなることと繋がります。
仕事の影響、、例えば座り仕事やPCをよく使うなどで姿勢は悪くなりますね。
仕事が生活の中で重要性が高いほど、仕事に合わせて姿勢(カタチ)が決められていきます。
仕事はもちろん大事ですが、何が最重要なのかということが姿勢に現れてきます。
自然に触れる余裕がなかったり、頭が働きすぎる今の世の中ではとても猫背なりやすいのはこのせいです。
日常生活の姿勢→座・立・歩を書き直すメリットはとても大きいです。
→余計な筋肉を日常生活で使わないので疲れずらくなる!!
→基準に従ってシンプルに使われるので余計に頭(脳)を使わなくなる!!
→身体がリラックスできるので、血液の循環や質が良くなる!!
姿勢はカタチだけの問題ではなく、地球の重力という膨大なエネルギーを上手に取り込むことで身体の内側にある力を引き出して代謝力を大きく変えることになります。
かつてド猫背だった私が実感したことなので、姿勢を変えてほしいと思います。
*この文章は当院のコラム【身体が変わる視点】の中から、特に本質的な体質の問題にフォーカスしたものを加筆、改定して掲載しています。
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