足首の捻挫
足首の捻挫の大切なポイント
- 脳に残るショックの記憶を取り除く
- 足の構造的な軸を造りなおす
- 内臓の不調や内臓下垂を改善する
スポーツをやっていたり、歩いていて不意に”やってしまった”という方も多い足首の捻挫。
→[筋肉や腱、靭帯]が伸びたり、断裂して炎症を起こす障害のこと。
靭帯というのは、関節が動かせる限界を超えて動きすぎないように関節のまわりについている強いゴムのようなもの。
靭帯が伸びてしまうと関節の位置がゆがんだり、動きが不安定になってしまいます。
捻挫で一番問題となるのは、
靭帯や腱などにその衝撃がトラウマのように残ってしまって慢性的に関節の動きを不安定にしたり、歪ませ続けてしまうことです。
だから、急性期(痛みの強い時期)の対応はもとより、さらに大切なのは慢性化しないこと。
ポイントは以下の2つです。
- 脳に残るショックの記憶を取り除く
- 内反捻挫の要因となる身体の構造を矯正・調整する
捻挫で伸びてしまった靭帯は元には戻らずに伸びたままであっても、捻挫の影響を取り除き、捻挫と無縁になることは十分に可能です。
足首の捻挫タイプ
足首の捻挫は大きく分けて2つのタイプがあります。
①内反捻挫(足の裏が内を向く)
→もともと足首は内側への可動性が高いので起こりやすが、軽傷のものが多い
②外反捻挫(足の裏が外を向く)
→足首は外側への可動性が少ないので起こりづらい分、完全に靭帯が断裂したり重傷化しやすい
統計的には内反捻挫と外反捻挫は9:1くらいの割合で、内反捻挫が圧倒的に多いといわれています。
スポーツなどで、人の足を踏んでしまうなどのアクシデントによってもよく起こります。
急性期の温熱療法の考え方
捻挫は急性期には炎症に伴う痛みがあることが多いので、程度にもよりますが基本的には『RICE』といわれる処理を行います。
- R…レスト・休養(使わないで休ませる)
- I…アイシング・冷却
- C…コンプレッション・圧迫
- E…エレベーション・挙上
これは損傷した組織からの内出血を最小現に止めてるための処理です。
修復のスピードより内出血のスピードが早いとリスクが大きいので、RICE処理を行ないます。
その後は1〜3日のうちに今度は温熱療法に切り替えます。
RICE処理の目安はお風呂などに入ってみて(温めてみて)『ズキズキ』するようなら継続します。
捻挫のショックはトラウマのように記憶してしまう
実は、
捻挫に関わらず、打撲などを含むいわゆる外傷というのは、受けた衝撃を記憶してしまうという特徴があります。
この記憶まで取り除くことで、本当の意味での『捻挫』から脱却する必要があります。
これを取り除かないとどうなるでしょうか?
トラウマのように不自然な組織の硬直が残って、関節の可動性が歪む大きな要因になる可能性があります。
内反捻挫の場合は、特に腓骨(すねの外側の外くるぶしを作る細い骨)と足根骨の構造の歪みとして見受けられます。
脳に残る外傷のショックの記憶をリリースするための大前提の考え方
衝撃を受けた
- 真逆の方向から
- 受けた衝撃と同じ刺激の大きさで、
- 同じ質の衝撃を入れる
これが外傷の衝撃を受けた場合の記憶をリリースする前提です。
そもそも内反が起こりやすい身体の構造を変える
内側に捻る”内反捻挫”を起こしやすい身体というのがあります。
それは
「足の軸が外側に、もしくはつま先側(前側)に移動してしまっている」身体。
本来、身体の重力を支える足の軸は、内くるぶしのあたりにあります。
これが外側にズレてきてしまうと
→靴の踵の外側ばかりが削れてしまうような足の構造になります
→太腿の外側が張って硬くなってきます
また前側にズレてきてしまうと
→つま先立ちのようになって、ふくらはぎやすねが疲れやすくなります
→股関節が後ろに引けて、出っ尻や猫背になりやすくまります
こんなふうに足の軸がずれてしまうと、内反捻挫が起きやすくなります。
ふくらはぎの部分には2本の骨(腓骨と脛骨)があります。
しかし実は、
外くるぶしを作る外側の骨(腓骨)は直接膝に繋がっていないので身体の支えとしては使えません。
だから、足の軸を内くるぶしを作る内側の骨(脛骨)のラインに調整します。
そうすることで、身体の支え方がしっかりして、捻挫をしない身体に変えることができます。
足の軸を変えるためのポイント
[捻挫をしやすい構造]そして
[捻挫によって慢性化]しやすい足の軸を変える3大ポイント
①内側の骨(脛骨)と外側の骨(腓骨)の位置関係を解消する
本来、内側の脛骨にあるべき足の軸が、外側にズレると
→外側の腓骨が①捻れて②落ちるという構造的な歪みを生みます。
このふくらはぎの部分の2本の骨の歪みを調整することで足の軸を構造的に改善します。
②股関節が足首の真上に乗るように調整する
股関節は足の軸がズレると、後ろに位置を歪めやすくなり、足首の上にきちんと乗ることができなくなります。
そして股関節の位置がゆがむことでその上に乗る骨盤と背骨にも歪みが連鎖します。
足首の構造だけでなく、股関節との連動性を取り戻すことで、
足首の捻挫は飛躍的に再発しづらく、また癖になりづらくなります。
③足の軸をズラす根本的な問題は[内臓下垂]にある
下肢と腰とが連動して動く関係は『腰がメイン』です。
冷たいもののとり過ぎやストレス、食べ過ぎは内臓の活力を低下させます。
内臓の活力が低下すると骨盤の上に落ちてきて、股関節や下半身に向かう神経や血管を圧迫します。
この内臓の不調が、知らぬ間に足の本来の構造や身体の支え方を悪化します。
下肢の構造に加え、内臓の働きを正常化すると、足の軸は自然と正常化します。
さらに、骨盤や背骨が安定し、体全体の軸までもしっかりします。
捻挫はとても癖になりやすく、トラウマとして慢性化するので、歳と共に身体の至る所にも悪影響を与える可能性があります。
逆に、捻挫をしやすい身体をしっかり調整することで、足の軸がしっかりと使えるようになり、たとえ伸びてしまった靭帯は元には戻らずに伸びたままであっても、捻挫の影響を取り除き、捻挫と無縁になることは十分可能です。