台風や朝晩の急な冷え込み、季節の変わり目…。
最近こんな症状はありませんか?
- 「目が異常に張って辛い」
- 「いつもよりじんましんが出てしまう」
- 「頭痛がひどくなる」
- 「なんとなく体がだるい」
実は、これらの症状は天気の変化による「気象病」かもしれません。
当院にも台風の後には同じような症状でお悩みの方からのご相談が増えています。
今日は「天気と身体の関係」について、わかりやすく解説します。
天気の仕組みを少し知るだけで、不安にならずに自分で改善できる方法が見えてきますよ!
天気はなぜ私たちの体調に影響するの?
地球のエネルギーの流れで起こる”天気”は、私たちの身体に大きな影響を与えています。

特に自律神経は天気の変化に敏感に反応します。
自律神経とは、呼吸や心拍、体温調節など、私たちが意識しなくても自動的に働いてくれる神経のこと。
天気が変わると、この自律神経のバランスが崩れやすくなり、様々な不調が現れます。
気象病の3大要素:「気圧」「気温」「湿度」
天気と体調の関係で特に重要なのが、「気圧」「気温」「湿度」の3つです。
これらがどのように私たちの体に影響するのか、ひとつずつ見ていきましょう!
①「気圧」:身体を外側から締める力
気圧とは、簡単に言うと「空気が私たちの体を外側から押す力」のことです。
台風などの悪天候の時は「気圧」が低くなります。
低気圧 = 空気が私たちの体を外側から押す力が弱くなっている状態
この時、私たちの体はどうなるでしょうか?
通常、体は外からの圧力と内側からの圧力のバランスで形を保っています。
気圧が低くなると、外からの圧力が弱まるので、体は風船のように少し膨らみます(膨張します)。
この膨張によって:
- 血管が広がり頭痛が起きやすくなる
- 神経が圧迫されて痛みが出る
- 古傷や関節が痛みやすくなる
- 内耳の圧力バランスが崩れてめまいが起きる
こんな理由で体調不良を感じるのです。
ケガをした時や腰痛の時にコルセットやテーピングで外側から締めると楽になるのも、こうした”圧力”が関係しています。
健康な人ほど、外側から押されなくても、自分の力で体を中心にギュッと集約する力が強いため、気圧の変化に負けにくいのです。
②「気温」:体温調節への挑戦
私たちの体温は約36.5℃。この温度を維持することで高度な生命活動ができています。
実は体の内側(内臓など)は37℃以上あり、この温度があるからこそ:
- 細菌の繁殖を抑えられる
- 免疫機能がしっかり働ける
- 酵素の活動が最適になる
でも外の気温は大きく変化します:
- 夏は30℃以上
- 冬は10℃以下
この気温差に体をどう適応させるか、それが健康のカギです。
冬の場合: 体温と気温の差が大きい → 体温が奪われやすい → 熱をたくさん作って逃がさないシステムに切り替える
夏の場合: 体温と気温の差が小さい → 体に熱がこもりやすい → 熱を発散させるシステムに切り替える
健康な人ほど、この気温の変化に体をスムーズにフィットさせる力が強いので、季節の変わり目でも不調を感じにくくなります。
③「湿度」:体の水分バランスへの影響
知っていますか?
私たちの体は約60~70%が水分でできています。この水分量をきちんとコントロールすることが健康にとても大切なのです。
体内の水分バランスを保つために:
- おしっことして排出
- 汗として排出
- 呼吸で排出
- そして意外と大事な「皮膚からの蒸散」
皮膚からの蒸散とは、皮膚を通して水蒸気のように水分が出ていくこと。イメージとしては、体から湯気のように水分が出ている感じです。
これは単なる水分調節だけでなく、老廃物の排出も担っていて「皮膚呼吸」とも呼ばれます。
湿度が高いとどうなる?
環境中の水分がたくさんある → 皮膚から水分を出すのが難しくなる → 水分調節や老廃物の排出がうまくいかない → むくみやだるさの原因に
健康な人ほど、この皮膚を使った水分調節がスムーズにできるので、梅雨や湿度の高い日でも体調を崩しにくいのです。
天気に負けない体づくりの3つのポイント
自律神経系をいい状態に変えていけると、自然と天気に負けない
身体の内側の調整機能が上がってきます。
その上で、天気に負けない体づくりには3つのポイントがあります:
1. 体の中心に力を集める力を高める(気圧対策)
気圧の変化に負けないためには、体の芯の力を高めることが大切です。
実践できること:
- 姿勢を良くする(背筋を伸ばす習慣)
- 軽い筋トレ(特に体幹を鍛える)
- 深い呼吸法を取り入れる
- バランスの良い食事で血液の質を高める
これらを続けることで、体が中心にギュッと集約される力が強くなります。
2. 体温調節力を高める(気温対策)
体温調節機能を高めるには、自律神経のバランスを整えることが重要です。
実践できること:
- 朝日を浴びて体内時計をリセット
- 規則正しい生活リズムを作る
- 入浴で体を芯から温める習慣(38〜40℃のぬるめ湯に10分)
- 首や手首、足首を冷やさない工夫
- 適度な運動で血行を促進
特に「首」は自律神経の通り道。首を温めるだけでも体温調節機能が改善します。
3. 皮膚の機能を高める(湿度対策)
皮膚からの水分調節を助けるには、皮膚そのものの機能を高めることが大切です。
実践できること:
- 適度な入浴やシャワーで皮膚の老廃物を流す
- 乾いたタオルで全身を軽くこする(皮膚の血行促進)
- 十分な水分摂取(内側からのデトックス)
- 発汗を促す軽い運動
- バランスの良い食事(特にビタミンAとCは皮膚機能に重要)
天気が悪い日の特別ケア
台風や低気圧が近づいている日には、特に以下のケアが効果的です:
低気圧対策:
- 締め付けの強すぎない服で軽く体をサポート
- 深呼吸を多めに取り入れる
- 水分をいつもより多めに摂る
- 無理な予定は入れない
湿度の高い日の対策:
- 除湿器やエアコンで室内の湿度を調整
- サラッとした素材の服を着る
- シャワーで皮膚の代謝を助ける
- 温かいハーブティーなどで内側から発汗を促す
気温変化が激しい日の対策:
- 重ね着で調整できるようにする
- 首元を温かく保つ(スカーフやマフラーの活用)
- 手首・足首を温める
- 温かい飲み物を持ち歩く
まとめ:天気に振り回されない体は作れる!
「冬の寒さが嫌いでたくさんの霜焼けができていた私が、夏の暑さに負けて簡単に夏バテを繰り返していた私が言うのですから、こんな風に天気に負けない体に変えていくことは誰にでも可能です!」
天気と体の関係を理解すると、こんなことが見えてきます:
- 血液がしっかり回転して、体が中心にギュッと集約される
- 不必要なものや水分はしっかり外側(環境)に排出できる
- 自律神経のバランスが整い、天気の変化に自然と適応できる
こうした視点から身体を見直すことで、環境や天気に左右されずに自力でフィットする力が自然と身についていきます。
気象病の症状は「体からのSOSサイン」です。
このサインを無視せず、体質を変えていくことで、天気に負けない強い体を作ることができます。
当院でも、自律神経の調整を通じて「天気に負けない体づくり」をサポートしています。
気になる症状がある方は、ぜひご相談ください。
一人ひとりの体質に合わせたアドバイスをさせていただきます。