簡潔に身体の神経システムを表現したら【感覚ー神経ー運動】になります。
『感覚』としては皮膚の触覚、視覚、聴覚、味覚、嗅覚が有名ですね。
これは外からの刺激に対する感覚。
この感覚が『神経』で認知されます。
神経で『危ない』という判断がなされた場合は、『逃げろ!』という指令が出ます。
『運動』はこの指令によって発動します。
そして『運動』が再び『感覚』されて『神経』へ…と回っていきます。
実は、身体の内側もつねに『感覚』が働いています。
血液のイオンバランスや血糖、血圧などの要素も常にチェックされています。
関節や筋肉の位置感覚も常に働いています。
身体の内側の〈感覚〉は”生きる”ことと表裏一体で、ほとんど無意識の中で行なわれます。
でも無意識ではあっても基本的なシステムは一緒です!!
〈感覚〉→〈神経〉→〈運動〉⇨〈感覚〉→…
これが安定した体内環境と適切なバランスをつくってくれます。
この内側の〈感覚〉の質を高めよう!!取り戻そう!!
というのが整体の大きな狙いです。
『神経』と言われて一番最初に思いつくのはなんでしょうか?
私たち人間にとっては
- 『神経』といったら『脳』
- 身体の王様と言ったら『脳』
というイメージが強くあると思います。
生命の起源を辿っていくとひとつの細胞からなる『単細胞』の時代があります。
単細胞生命体は『細胞膜』を挟んで細胞の内と外で直接やり取りをします。
上に習って簡単に表現するとしたら、
細胞膜で『感覚』して『神経』して『運動』する
というイメージです。
細胞膜が全部を一括してやるのです。
ここに私たちの『神経』=『脳』という図式はありません。
細胞が増えてくるに従って、
細胞が情報を共有できるように、意思の疎通が出来るように
【認知・判断・指令】の業務が『神経』として高度化しました。
その象徴として『脳』があります。
それでは今回、伝えたかったこと。
『神経』の王様『脳』は『感覚』があって初めてしっかり働く!!
私たちはいろいろなものを『脳』を中心に考える傾向があります。
それは『脳』が身体の王様というイメージがあるからです。
でも単細胞生命体の生命の起源を辿っていくと〈神経〉の見え方が変わってきます。
基本的には無意識に行なわれている身体の内側の感覚や反射などの働きは
『神経』の中でも比較的『単細胞』的な働きです。
『脳』が中心に考えられ、実際に『脳』に支配されやすい今の世の中では、
『脳(神経)』の前に『感覚』があるということが忘れられやすくなっています。