前回の『腹圧が腰の安定感を作る』では【横隔膜】の働きが【腹圧】を通して、消化器などの内臓の働きを活性化するということに触れました。
呼吸がしっかりできる身体は全身が呼吸に合わせてポンプのように膨らんだり、しぼんだりを繰り返しています。
今回のテーマは『消化器と呼吸』についてです。
消化器は身体を作る固体・液体の栄養素(エネルギー)を取り込んで、血液を作ってくれます。
泌尿器は血液を奇麗にして、血液の成分を適正に保ってくれています。
内臓はいつもいつも休まずに働いてくれています。
呼吸器は消化器と一続きの口から肛門までを貫く【一本の管】です。
だから元々連携して活動している性格のものです。
内臓の働きが悪くなると、内臓が下垂してきたり、膨張したままになってしまいます。
これが横隔膜の働きを邪魔したり、ポンプ作用に連動して動かなくなります。
そして自然と呼吸も浅くなっていきます。
ところで、内臓の活力を下げる要因はなんでしょうか?
①食べ過ぎ・飲みすぎ
消化器は食べ物・飲み物と身体の中で一番最初に接触して働きます。
食べ過ぎ・飲み過ぎは単純に内臓の仕事を増やすことになります。
時には内臓を休めることがとても大事です。
『腹八分目』や、『一口で50噛む』などの考え方は、内臓の仕事を抑えて身体を健康に保つとても理にかなった言葉ですね。
体調が良ければ、仕事の効率が上がるしやる気も出ます。
私たちがまさにそうです。
内臓の細胞も全く同じです。
消化器の細胞の”体調”が良ければ、消化吸収の効率があがってそのスピードも上がります。
②冷たいもの
冷たいものを口から入れた場合には、身体の中で一番先に接する場所だからこそ、身体のどこよりも先にお腹・内臓が冷えます。
人間は恒温動物なので、温度が1℃下がると、代謝は一気に低下します。
消化吸収の力が低下します。
細菌などを入れない免疫機能も低下します。
これからの時期問題になる【夏バテ】は内臓の温度が下がったままあがらなくなっている状態です。
(詳しくは『代謝に影響を与える「冷たいもの」』をご覧ください)
これらの内臓の活力を内側から弱める生活習慣をしていると、
例え呼吸を意識していても、呼吸の方が内臓の状態に引っ張られて、呼吸の質があがらないことがよくあります。
特に調子が良くないと感じる時は
- 食事を2−3回抜いてみる
- 冷たいものを控えて、水分補給は【お白湯】にする
やってみてください。
シンプルですが、身体の代謝を正常化するのに非常に効果が高いです。
呼吸を考えるときは、もともと呼吸と消化は【一本の腸管】で一緒に仕事しているということを頭に入れてあげてください。
しっかり呼吸すること=一生懸命生きること
ということを念頭に【呼吸】をいろいろな角度から考えてみました。
構造的な側面や、機能的な連動性、内臓との関係など
やっぱり改めて考えてみても、呼吸は全身の”元気”の度合いを反映していることがよくわかります。
しっかり呼吸すること=一生懸命生きること
一生懸命生きれるように
しっかり呼吸できる身体になりましょう!!