前回のコラム『関節にかかる【トルク】』で重力下で関節にかかる回転力を考えました。
『姿勢が良い』というのは
関節にかかるトルクを最小限にして、姿勢維持に働く筋肉の発動を最小限にする
ということでした。
前々回のコラム『姿勢維持と筋肉の使いすぎ』では
筋肉の発動を第一段階で制御できるようにする
と表現しました。
このためのポイントとして
【つま先優位姿勢】→【踵をしっかり使う】
【膝でバランスをコントロールする癖】→【踵ー股関節でバランスをコントロールする癖】
【大腿四頭筋優位】→【ハムストリングス優位】
という3つを挙げていました。
さて、今回は太ももの筋肉が使われやすい癖を変えるのにも効果的な簡単な運動を3つ紹介します。
①股関節に効くストレッチ
1.股間節はまっすぐに、膝の関節は90°にしてストレッチを行う。
2.逆の足で膝を押さえ腰まで反るように行う。
3.左右必ず行うが、両方やってみてキツく感じる方を3倍の長さで行う。
4.慣れてきて余裕がある場合は股関節を前に押し上げるように手でサポートする
これによって、股関節が後ろに引けやすい癖と身体の”捻れ”が矯正されます。
②膝のお皿を下に下げる
1.膝のお皿を下に押し下げる
膝のお皿は、大腿四頭筋が働くと上に持ち上げられてしまいます。【つま先優位】【膝のコントロール】をしている人はどうしても大腿四頭筋が優位になって膝のお皿が上に持ち上がってロックしてしまうためにしっかり押し下げます。
2.膝を押し下げたまま、つま先を持ち上げる。
こうすると、膝のお皿が持ち上がりやすいと思います。これは悪い連動であり、悪い癖です。しっかり膝を押し下げたままつま先を持ち上げる訓練をします。これによって足首と膝の悪い連動性を断ち切ります。
③踵を腰から出し入れする運動
1.踵を突き出すようにしてつま先を引き上げる。このときのポイントは第5趾(小指)を内くるぶしになるべく近づくようにすることです
2.そのままの状態を維持したまま、両足の第1趾(親指)をつけるように内側にしぼります
3.踵を突き出したまま、さらに腰から下肢を突き出すようにします。その時、逆の下肢は腰に引き込むようにします。これを左右交互に行います。
この運動は下半身の間違った癖を補正していくのにとても効果が高いです。
太ももやふくらはぎのお肉が気になる方、むくみやすい方は、是非一ヶ月続けてみてください。
次回は、そもそも【つま先優位】になりやすい要因について考えてみます。