今回のテーマは前回に引き続き『背骨の連動性』についてです。
前回のコラム『背骨の連動性』では仙骨と鎖骨、恥骨と肩甲骨の連動性を利用して、
胸腰移行部が機能する背骨の連動性を考えました。
実は『左右』にも同じように連動性があります。
今回も身体の操作をしてみてください。
①右の仙骨を上げる + 左の肩甲骨を上げる
②右の肩甲骨を下げる + 左の仙骨を下げる
8の字を描くようにエネルギーが腰部と胸部で反転してめぐるイメージです。
例えば、、ラジオ体操でも身体を横に倒す体操があります。
左の手を上に挙げて身体を右に倒してみてください。
この時に左の足が浮いて、左の腰が上に上がっていたら、背骨が動きに参加できていない証拠。
左の手を挙げる⇨左の肩甲骨が上がる → 右の仙骨が上がる
↓ ↓
右の肩甲骨が下がる → 左の仙骨がさがる
背骨の8の字の流れを意識して、同じように身体を横に倒すと、、、
今度は左の足腰が浮かずにしっかり接地したまま、胴体にはよりしっかりとストレッチがかかることが分かると思います。
左足腰が地面に残ることで、身体全体としては中心に『軸』を維持できます。
これが背骨の連動性を生かした負担の少ない側屈なんですね。
【簡単な背骨の連動性に効く体操】
さて、簡単な体操を紹介します。
といっても前回から出ている鎖骨・肩甲骨・仙骨・恥骨の操作を徹底するだけです。
大事なポイントは1つだけ。
ポイント:体幹(胴体)の厚みと幅を固定して行なう
座っても立っても行なえますが、仰向けだと床が背中側の固定ラインになるので、感覚が掴みやすいので最初は寝て行なうと効果的です。
〈前後の連動性に効く体操〉
①仙骨と肩甲骨を5秒かけてジーッとできる限り近づけます。
② ①を維持したまま、仙骨を引き上げたチカラが連動して鎖骨を引き上げます。
さらに鎖骨が上がった分、反転して肩甲骨がさらに下がる力になります。
③ ①を維持したまま、肩甲骨を引き下げたチカラが連動して恥骨を引き下げます。
恥骨が下がった分、反転して仙骨がさらに上がる力になります。
*体操で腰に反りが出るとお腹が前に飛び出た感じになりやすいので、腰の反りは鎖骨を持ち上げるチカラに転換します。
*操作するエネルギーが8の字に流れて連動性が増す感覚を大切にします。
〈左右の連動性〉
①右の仙骨(お尻)と右の肩甲骨を5秒かけてジーッとできる限り近づけます。
② ①を維持したまま、右の仙骨(お尻)を引き上げたチカラが左の肩甲骨を持ち上げるイメージを高める
左の肩甲骨が上がった分、反転して右の肩甲骨がさらに下がる力になります。
③ ①を維持したまま、右の肩甲骨を下げたチカラが左の仙骨(お尻)を下げるイメージを高める
左の仙骨(お尻)が下がった分、反転して右の仙骨(お尻)がさらに上がる力になります。
*肩甲骨やお尻を操作する時に身体の幅から横に出ないように上下にしっかり圧縮します。そうすることでエネルギーが8の字に流れて連動性が増す感覚を大切にします。
感覚のトレーニングは回数をやるよりも、しっかり感覚を味わってあげることが大事です。
寝る前や起きた時に、是非、息を止めずにお試しください。