今回のテーマは、『背骨の連動性』についてです。
前回のコラム『背骨のS字の”節”『移行部』は大切。』では背骨のS字カーブの『移行部』には身体の内外の状態が反映されることを見てきました。
ところで『連動性』というのはどういうことでしょうか?
『連動性』とは、身体の動きの『きまりごと』です。
【ここがこう動いたら、こっちはこう動く】という一定のきまりごと。
例えば、、、腕を自然と伸ばした状態から手をグッと握ってみてください。
多少ですが、肘が曲がるのが分かると思います。
これが『連動性』です。
身体中がこんな連動性で動いています。
逆にこれを無視してしまうと、身体は壊れてしまいます。
背骨の連動性がイメージできるようになると多くのメリットがあります!!
- 神経やホルモンの働きが正常化する
- 姿勢も含め身体の土台がしっかりして、『体幹』で動けるようになる
- 『体幹』が動きの主役になると、血液循環も飛躍的に高まります。
デスクワークなどで身体が緊張すると、腕を上に上げて身体を伸ばしたくなりますよね。
これはとても気持ちがいいです。
が、普通にやると伸びているのは腕と肩周りくらいまでです。
猫背のまま固まっている『体幹』にはほとんど効果がありません。
では『体幹』に効く”伸び”にするためにはどうすればいいか?
少し腕を下げたままでいいので、次の身体の操作をしてみてください。
①肩甲骨を下に下げる + 鎖骨を上に上げる
②恥骨を下に下げる + 仙骨を上に上げる
そしてゆっくり呼吸をしてあげてみてください。
腰が反って、胸が開いてくるのが分かると思います。
これが『体幹』の連動性です。
①の【肩甲骨と鎖骨】は胸部の前後の分かりやすいポイントとして使います。
同じように②の【恥骨と仙骨】は骨盤部の分かりやすいポイントです。
この間を繋ぐように『胸腰移行部』が存在しています。
実は、私たちが重いものを運ぶとき、この連動性が自然と使われています。
重いモノを運ぶときに腰を痛めないように意識することってなんですか?
そうです。
腰を落として、なるべく腰が前に曲がらないようにして、モノを身体に近づけて腰から持ち上げますよね。
①肩甲骨を下に下げる ← 鎖骨を上に上げる
↓ ↑
②恥骨を下に下げる → 仙骨を上に上げる
ことで『胸腰移行部』でエネルギーが反転して
上体がしっかり起きて、腰のチカラが背骨を介して胸に連動します。
だから腰のチカラでモノが持ち上がります。
背骨にも『連動性』があります。
そのエネルギーが、背骨にS字カーブとその”節”となる『移行部』の可動性を作っているのです!!
『連動性』が生きてくると、
お腹の動きが良くなったり
腰痛や肩こりの解消やヘルニアなどの予防にもとても効果大です!!
今回はここまでにします。
次回は、背骨の『連動性』に効く簡単な体操をご紹介したいと思います。