今回のテーマは『自律神経系が乱れる理由』です。
自律神経系のバランスが悪くて身体の不調に陥っている
という方も多くいますし、気になっている方もいるかもしれませんね。
自律神経系の大きな役目は[血液を必要な場所へ運ぶ]ことにあります
。
自律神経系は血管をコントロールすることで血液をどこに流すのかを調整してくれています。
私達の身体は60兆とも言われる細胞が集団生活していて、
みんな血液から栄養や酸素を受け取って[代謝]を行なって生きています。
だから、
血液を必要な場所へ送り届けるための自律神経の働きは、
全身の[代謝]を決定するものと言ってもいいくらい大事なものです。
自律神経のバランスが崩れてしまうことは=全身の[代謝]バランスが崩れる
のだから、大変なことがよくわかりますね。
自律神経系は[交感神経]と[副交感神経]がバランスしています。
交感神経は活動や仕事などエネルギーを”外に向けて使う”ために血液を運ぶコントロールをします。
交感神経による[代謝]の特徴は
①手足の筋肉や頭など私達が意識的に使う場所が中心
②仕事や運動など、エネルギーを”外に向けて使う”
③活動時間帯の昼間によく働く
一方、副交感神経はエネルギーを作ったり、整えるために血液を運ぶコントロールをしてくれています。
副交感神経による[代謝]の特徴は
①食後は消化器などのエネルギーを身体に取り入れる場所に血液を集める
②睡眠時に身体の中をきれいに作り替える・老廃物を捨てる作業
これらは交感神経がエネルギーを”外に向けて使う”のに対して、
エネルギーを自分の身体の”内側に向けて使う、もしくは蓄える”作業と観ることができます。
自律神経系のバランスを乱しやすい理由のひとつは、
交感神経優位になりやすい”頭脳労働”が挙げられます。
仕事や遊びも以前に比べて”頭脳労働”が増えました。
”頭脳労働”は刺激が好きで、糖質好き。
頭(脳)は全身のコントロールタワーにもなっているので、権力も血液も集中しやすいのです。
「いやいや”頭脳労働”なんて全然していないよ…」
なんて言う方もちょっと思い返してみてください。
美味しいものをたらふく食べたい!
いろいろなものを好きに買いたい!
非日常的な楽しいことをたくさんしたい!
こんな欲求や行動も行き過ぎると頭の快楽のためだけの空想や満足となって、
”頭脳労働”のひとつの要因になります。
パソコンやスマホで、使う気もないソフトが知らぬ間に稼働し続けていて
動作が重くなったり、電池の消費が早くなるなんて体験が皆さんもあるかもしれません。
”頭脳労働”とはこんな状態で、
頭の中で、常に欲求やストレスが暴走してグルグル回転していて、
血液が頭に常に供給されるように交感神経が優位にたっています。
たくさんの選択肢があって、選択権もある豊かな世の中になったればこそ、
良くも悪くも今の日本は”頭脳労働”しやすい環境にあるんですね。
日本人の実に25%が睡眠障害に悩んでいると言われています。
睡眠は副交感神経優位で行なわれるエネルギーを”内側に向けて使う、もしくは蓄える”
生きていくのに欠かせない大事な行為ですが、
いかに、副交感神経・エネルギーを”内側に向けて使う、もしくは蓄える”作業
に身体が移行しにくくなっているのかということが透けて見えてきます。
逆に言えば、いかに交感神経が夜になっても高ぶりやすいのか
ということも想像できます。
長くなりましたので、次回も自立神経系について考えていきます。