今回のテーマは『腹圧を利用して骨盤を立てて使う』です。
最近は身体の使い方の感覚についてこんな質問が多くありました。
・骨盤を窮屈に使う感覚がわかりずらい
・骨盤から背骨の反りが始まる感覚がわかりずらい
確かにこの辺はとても重要な感覚です。
これが感覚的に落とし込めると、
→背骨と下肢が繋がって体幹が主導する動きができるようになる
→背骨の土台から反りが出ることで、姿勢(身体の支え方)が根本的に良くなる
つまり、
骨盤自体がギュッと窮屈に立っているので、
①股関節(下肢の関節)に近い場所にあって
→下肢と体幹をまっすぐ繋いでくれる
②背骨の真下からしっかり反りが出て背骨の土台となる
→背骨の本来あるS字カーブが自然に出て重力をまっすぐ受けてくれる
こんな状態で身体を使えれば、
骨盤はしっかりしまって、その中にある内臓の循環もしっかりします。
そして、
余計な筋肉を使わずに姿勢をきれいに維持できたり
身体を動かしても疲れずらい・疲れが残らない
そんな身体になってきます。
今回は”腹圧”との関係からこの感覚のイメージを高めていきたいと思います。
私たちのお腹には消化器が詰まっていますが、
上からは横隔膜が、前や横からは腹筋が、
下には骨盤があって、後ろには背骨に
取り囲まれています。
お腹の中は、四方八方を囲まれ、出口がない
密閉された空間になっています。
別の言い方をすれば、
お腹はふくらんだ風船が入っているような構造になっていて
よく、腹式呼吸するとお腹が膨らむといいますよね。
これは
⒈息を吸うことで横隔膜上から下がってくる
⒉お腹の風船を上から押し下げてくるので風船の圧力が上がる
⒊上から押された風船が行き場がなくなってお腹(前)側が膨らむ
この時にしっかりとした腹筋があると、
風船の圧力がお腹(前)側に逃げようとしてきたところで
押し返して風船を後ろに押し返します。
すると、
風船の圧力は行き場をなくして圧縮されます。
そして
その風船の圧力が後ろにある背骨を前側から押して
また、深呼吸をすると背骨は反ってきますよね。
特に腹式呼吸でしっかり深呼吸すると背骨が下の方から自然と反ってきます。
それは上で書いた腹圧=お腹の風船が
横隔膜と腹筋でしっかりと圧縮されたパンパンになった力が行き場を失って、
逆に横隔膜を上に押し上げようとするからです。
後ろの背骨も、下の骨盤も骨なので硬いですが、
前の腹筋や上の横隔膜は軟らかい組織なので
風船のパンパンの圧力が最終的に逃げるのは前か上ということになります。
この力が私たちの身体を自然のS字カーブを描く姿勢に導いてくれます。
お腹の風船は”仙骨”を含めた骨盤の中まで入ってますので、
”仙骨”もこの腹圧という風船に前から押されることで安心して反ることができるのです。
ところが、
慢性的な腰痛や肩こり、内臓の不調を抱えている人の多くは
骨盤の真ん中にある”仙骨”を中心にその上の背骨までが
後ろに逃げてしまっています。
これだと腹圧=お腹の風船の圧力は背骨や仙骨を前から後ろに押し出してきます。
これがいわゆる「猫背」や、「骨盤が開いた」状態をつくります。
そこで骨盤を窮屈に立てて使おう!!です。
早速ですが、実際にやってみましょう!
まずは感覚を掴むために手で触りながらやってみてください。
こうすることで、
仙骨がその両側にある腸骨の間に沈み込むように前にお辞儀しながら、
前からは腹圧=お腹の風船に押されて支えられます。
これが骨盤を窮屈に使う簡単なイメージです。
仙骨から背骨の反りが始まって腹圧に支えられて身体は上に向かって伸びていきます。
これが、体幹を作り、筋力に頼らない身体の使い方を作ります。
横隔膜を使った腹圧の動きで全身の循環や自律神経のバランスまで良くなります。
最初のうちは、仙骨の動きが出せずに腰をおへそに近ずけてしまいがちですが、
あくまで意識は仙骨に集中してみてください。