前回の続きを考えていきたいと思います。
前回のコラム『ケガは神経に刻まれる』では外傷の衝撃が『神経(脳)』に刻まれて潜在意識下で身体に影響を及ぼし続ける可能性があるとお話ししました。
強い衝撃を受けたり、強い痛みを受けると、
痛みやショックが薄らいで『治った』後も、
実は、潜在意識の中で、庇ったり、緊張が残り続けてしまいます。
では『神経(脳)』に刻まれたケガの痕はどうやってリリースするのか?
前回も書いた通り、ケガの『トラウマ』は特定の場所の硬直・硬結として残ります。
放置すると血液も流れず、どんどん硬くなって冷たくなっていきます。
逆にいうと『硬直・硬結』をしっかり緩めると『神経(脳)』の緊張もリリースできます!!
ケガによる『神経(脳)』の『トラウマ』をリリースするセオリー
- なるべく早くリリースする
- 外力を受けた真逆の方向から同じ強度で刺激を与える
言葉にすると簡単ですが、これが基本になります。
ケガの後の急性期の炎症が落ちついたらなるべく早くリリースすることを考えましょう。
時間が経つほど、身体の連動性に乗って
こじれた糸みたいに複雑になってしまいます。
2.の真逆から…というのは
例えば【足首の内反捻挫】をした場合、
足首の外(外くるぶし)側から圧力をかけて調整します。
これは足首が内側に捻れることで、内側から外側に外力を受けたからです。
ただし、そのまま適応できない場所もありますので、
まずはどこが問題になるのかをしっかり掴むことが重要です。
みるべきポイント
- 軟部組織の硬直・硬結
- 関節部の衝撃による歪み・硬直・硬結が起こす歪み
軟部組織の硬直や硬結はほとんどの場合、押すと痛い『圧痛』が最大の目印になります。
打撲などのいわゆる”打ち身”の場合は、衝撃受けた”直接の場所(皮膚や筋肉)”の硬直や
その筋肉の”腱”の部分に硬直や硬結が出やすくなります。
捻挫などの”捻って”関節の可動域を超えてしまったような衝撃は、
同じように”直接の場所(皮膚や筋肉)”の硬直や筋肉の”腱”
さらに、関節の安定に働く”靭帯”などの関節の組織にも硬直が残ります。
実は、硬直や硬結は押してもなかなかとれないのです。
じゃあ、どうすれば良いのか?
硬直・硬結した組織には血液が流れなくなってしまっています。
だから、
血液を流れるようにしてあげられれば緩んできます。
具体的には、
①軽く手を乗せるようにして「圧痛部」を捉え、捉えた手で呼吸をするようなイメージで持続的に圧をかける。
②「圧痛部」の周辺を引っぱり、硬直した部分に血液が入るゆとりを作ってあげる
といった方法が有効です。
衝撃を受けた場所に近い関節ほど、歪みが起こりやすいので、
外傷の場所に近い関節からしっかり歪みを確認します。
自分で簡単に確認する場合は、
左右とも動かしてみて、動きが悪い角度を左右の差を見ながら探してみてください。
骨の位置が歪んで変わっていると動ける幅や範囲が限定されます。
その角度や範囲が分かったら、その角度の動きを促します。
その際に、動かしている角度の180°反対側がしっかりストレッチされるように行ないます。
ケガの『神経(脳)』の『トラウマ』を自力で
しっかりリリースするのは少し難しいかもしれません。
でも、だからこそケガの影響をしっかりリリースする必要があります。
「トラウマ」から解放させてあげることで、ケガを癖にしない。
これができると靭帯が伸びて関節が緩くても、
はるかに関節に負担がかからないように回復します!!
ケガの周囲を触って『圧痛』があったり、関節の動きに左右の差を感じたりする場合はお近くの整体院に相談してみてください。
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