直立二足歩行というのは人間だけが出来ることです。
歩かなくても2本の足で立つというだけでも人間の特徴ですよね。
例えば、はしごを2本足でそのまま立てようと思ったら大変です。
2本足で重力に対してバランスよく立って、
それから歩こうなんていうことは実ははかなり難しいことだと思います。
だから、私たち人間には直立二足歩行、2本足で立つために進化している特徴があります。
人間に近いといわれているゴリラや猿と骨格を比べてみても違いはいろいろあります。
いろいろ探せると思いますが、私の独断で骨格の特徴を3つピックアップしてみました。
- 踵(かかと)の骨が大きく発達している
- 足の裏の土踏まずと背骨の腰の部分がアーチ構造になっている
- 骨盤が縦長構造から横長構造になっている
私たちはこうした特徴を獲得するように進化してきたのですから、
逆に言えば
この特徴をしっかり使えるようになることで重力にしっかり適応できるはずです。
今回は①の【踵(かかと)の骨が大きく発達している】ことについて考えてみます。
そのためには
どうして骨が大きく発達=変化するのかということを知ることがとても大事。
そもそも骨というのは簡単に”変形”するものです。
よく歳と共に膝が痛くなって歩けなくなってしまうと耳にしたりしませんか?
お医者さんで診断してもらうと、
”変形性”膝関節症と診断されることが多いです。
歳を取ると自然と変化するんだと思っている人も多いかもしれませんが、
大きな要因は”歳”ではありません。
身体の重さ(エネルギー)が膝にかかりすぎて、
そのエネルギーに耐えかねて骨が削れたり、修復されたりを繰り返して
いわゆる理想的な骨の形状から変形してしまいます。
つまり、
骨は重さや衝撃などの物理的なエネルギーの刺激に対応して
みなさんが思っているよりもけっこう簡単に変形してしまいます。
どうして身体の重さ(エネルギー)が膝にかかりすぎるのでしょうか?
それは
本当は背骨を中心にした体幹部と踵(かかと)で身体をきちんと支えていて欲しいのに
その質が落ちるにつれて身体は前屈みになってしまい
つま先や膝で身体を無理やり支えていくしかなくなってしまうという点が大きいと感じます。
そうなると自分の身体の重さ(エネルギー)で自分の膝が壊れていってしまいます。
話は少し逸れてしまいましたが、
身体の重さが踵(かかと)に自然とかかる身体はいわゆる”姿勢がいい”形になります。
人間の踵(かかと)の骨が大きいということは、
2本足で立つために踵(かかと)の骨を頼りに進化(変化)してきたのだと思います。
踵(かかと)の骨の上には頸骨と腓骨という骨(向こうずねの部分)があります。
実際に、しっかり観察すると踵(かかと)の骨と足首の関節を造っている骨は
脛骨という内くるぶしのある骨です。
その脛骨が膝の関節も構成しています。
つまり、
踵(かかと)の骨にしっかり立つということは、
膝の関節を作る骨もしっかり安定するということになります。
現代ではつま先が優位に立っている人が多くなっているように感じます。
真っ直ぐに立ったところを横から見てみたときに
踵(かかと)の上には骨が繋がっていますが、つま先の上には骨が存在していません。
上から下に働いている重力というエネルギーに対応して”立って”いて、
その身体を支えるのに骨を使っている以上、
もしも、
つま先で”立つ”のなら、嫌でもつま先の上に骨を乗せる必要が出てきます。
そうなると膝が曲がってつま先の上に乗る構造になってきます。
膝が壊れやすい姿勢です。
ゴリラや猿は膝が曲がっていますね…。
しっかり踵(かかと)で立つこと=膝を重力(エネルギー)からフリーにすること。
踵の骨が大きく発達しているということから、重力にしっかり立つことの”コツ”が見えてきますね。
実際には踵(かかと)の後ろの方ではなく足首の関節の部分に立つということになりますが、
イメージを変えるのには最初はつま先ではなく踵(かかと)よりで立つというシンプルなイメージでいいと思います。
皆さんがやる場合にはまずは踵(かかと)をしっかり使うために、
竹馬に乗るように、内くるぶしの真下で地面に接地するように立つ・歩く
ということを意識してみてください。
踵(かかと)で立つことで地面との関係が大きく変わります。
そして重力というエネルギーが今度は身体の”栄養素”になります。
きちんと立てている人は地球の重力というエネルギーをいっぱいもらえるんです!
まずは踵の骨から”立つ”ヒントを考えてみました。