前回までにどうして足がむくむのかを考えてきました。
【血液・体液が循環する仕組みを見直す】
①身体全体から循環を変える→呼吸器・腸管の活性化を図る
②足からの体液の返りを変える→足首の動きを健全化する
【物質の量をコントロールする】
①食べ物の量を減らす。特に身体を冷やす物質(冷たいもの・糖質・水分)を制限する
②老廃物の運び出しができるように体液の循環を改善していく
今回は足からの体液の返りを変えることにフォーカスします。
足首の動きは足から血液やリンパ液のような体液を心臓へ返す大きなポンプになります。
足首の動きを健全化するためのポイントをプックアップしてみます。
足首は内くるぶしを作る頸骨と外くるぶしを作る腓骨、足の繫ぎ目となる距骨から形作られます。
よく見てもらうと分かる通り、腓骨は外側に添えるようにあるだけで、足首のつながりをしっかり上下でつないでいるのは頸骨ー距骨です。
これは身体の重さは頸骨、内くるぶし側で受けて動くようにできているということ。
内反捻挫をしやすい人は、ほとんどが動きの中心が外側にズレてしまっています。
またヒールをはく女性やつま先が優先的に使われてしまう人は、同じように足首の動きの中心が外側にズレてしまいます。
内くるぶしの下側が黒ずんだり、外くるぶしの周りの皮膚が硬くなったり、ガサガサ荒れてしまうのは、この傾向が強い人です。
②距骨ー踵骨で地面へしっかりと身体を預ける
頸骨から距骨に伝わった力は踵骨に伝わって、結果として踵の外側へ伝えられます。
踵は四つ足動物では地面に接することがなく、とても華奢な骨です。
踵は人が直立二足歩行へ移行するのに合わせて、重力を受けるために進化・発達したものと思われます。
つまり、踵にしっかり重さを預けられるように使うことです。
踵にしっかり力を伝えるには、①のように頸骨から距骨、そして踵骨へと連動した関節運動が必要です。
距骨へとしっかり力が伝わるように使えると、土踏まずで知られる足のアーチを効果的に使って身体を支えることができます。
③アキレス腱が下腿の真ん中に位置してしっかり伸縮する
アキレス腱は踵骨から膝裏に向かって付いています。途中からふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋:腓腹筋・ヒラメ筋)に繋がっています。
足首の動きが体液のポンプになるというのは大まかに言うとアキレス腱に張力が働いて、ふくらはぎの筋肉群がしっかり伸縮するということ。
①や②の構造的な安定がないと足首の動きは腓骨がある外側にズレてしまって、アキレス腱に張力が働かなくなります。
アキレス腱に張力が働かないと、筋肉が伸縮しないので体液のポンプになりません。
歩くことが健康にとても良いということがよくいわれますね。
歩くことが特にアキレス腱を介してふくらはぎの筋肉の運動となって足から体液の循環が促されることが大きな理由です。
実際にはせっかく歩いているのに、歩くことが身体の負担になっているひとが多く見受けられます。
血液の返りも悪く、老廃物が蓄積しやすく、ケガにも繋がりかねません。
日常の生活を作る”質”を見直していくことがとても大切です。
足首の軸を作って、アキレス腱を働かせるための簡単な動きを2つ紹介します。
①アキレス腱伸ばし
基本的には子供の頃からみなさんもやっているアキレス腱のストレッチをイメージしてください。意識の置き方で効果は飛躍的に高められます。
- アキレス腱から下腿の中央のラインをしっかり手で触れて、伸ばす軸に意識を残す。
- 踵を地面に押し付けて、意識した下腿の中央ラインに張力を感じるように伸ばしていく。
- 足が外側を向かないように下肢が内側に倒れないように行う。
このポイントは1.です。手で触れることで意識が残ります。今アキレス腱がどの位置にあるのかをしっかり認識します。だいたいの人は足の幅の真ん中より外側にアキレス腱の動きがズレてしまっています。
②正座外くるぶしたたき
正座して、外くるぶしの下周辺をたたくことで、頸骨ー距骨ー踵骨を適正な位置関係に補正します。
- 正座の仕方→足はなるべく踵が外に出ないようにする。踵骨にに座骨が引っかかるように座る。おへそだけを前に少し出す。イメージは座骨の下に踵を配置して、踵の上にしっかり座ること。
- この姿勢を維持した状態で、手で外くるぶしの周辺をトントン叩いて関節に刺激を入れていく。
正座も基本的には踵で身体を支えるものです。これが前にズレて膝で支えていると正座は膝を壊す座り方になってしまいます。内反捻挫やヒールを履くようなひとは足を使う軸が外側にズレてしまうために、距骨が外に位置異常を起こすことが多いです。適正な位置にして外から叩くことで振動を与え、正常な位置へ戻りやすくします。
以上、簡単ですが、効果の高い動きを紹介しました。是非試してみてください。
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