江戸時代の江戸の町では頻繁に火災が起こっていたことはよく知られています。
江戸の住居といえば木造の長屋がイメージできます。
木造だから当然、火災が起こったら燃え移る可能性が高くなります。
だから、江戸の長屋は簡単に解体できるように作られていたことも有名です。
燃え移る前に解体して燃え移らないようにするためです。
これってすごいことだと思いませんか?
現在の『マイホーム』とは感覚が違うにしても、自分たちで作ったものを、
作る前から、壊すことを想定して作っているんですよ!!
私はこれを知った時に漠然と『スゴいなあ』と感じました。
どうして漠然とそう思ったのか…
今回は少し考えてみたことを綴ってみようと思います。
本当は、火事に限らず天災なんかも起こらないのが一番なのは言うまでもありません。
でも条件によっては、自然発生的に起こることもあります。
例えば『火事』が起きても燃えないような素材で家をつくる
という発想もあります。
これは近代的で西洋的な発想。
今の建築物には燃えにくい素材が使われています。
燃えにくい素材は時間と共に研究されてよりクオリティが高くなっています。
今の課題を新しい発想で切り開こうとする。
これが今の豊かな社会を作る原動力になってきました。
比べてみると、一見、江戸の対策はネガティブにも感じます。
誤解のないように言っておきますが、日本にこういった発想が全くないといっているわけではありませんよ。
江戸の火事対策は
火事を早く治めて、またすぐに立て直せるようにと考えられています。
私はここに自然と共存するように歩んできた日本人の知恵がよく現れているような気がします。
私が思う日本の民族特性のひとつは『受ける』力です。
日本は『発明ができない』とか『新しいものを生み出すのが苦手』
と言われますが…
怒られるかもしれませんが、私は、当然と言えば当然だとも感じます。
それは…
日本人はまず『そういうものだ』と受けるのが上手だからです。
受けた上で、それに自分をフィットさせようと考えます。
いい意味では【問題や課題に対して自分が何か変わろうとする】態度ともいえます。
他人を受ける…環境を受ける…
自分の内側を磨いて、状況や環境にフィットするのです。
『改善』ですね。
だから日本はモラルが高く、社会性(協調性)が高いのだと思います。
『受ける』という特徴と
『自分が何か変わろうとする・変われる』という発想
を思い出すだけでもっと日本も私たちもエネルギッシュになれる気がします。
私も今のところ偉そうなことは言えません…笑
だからこそ
江戸の火消し達の話から、そんな日本の知恵を感じたのだと思います。