さて、今回は引き続き『肺を”上下”に使う』をテーマにしていきたいと思います。
前回も出てきましたが、肺を”上下”に広く使うためには
横隔膜がしっかり働いてくれることがとても大事です。
特に鼻呼吸と連動して働いて”上下”に動きながら、
身体の真ん中で胸と腹を常にポンプしてくれます。
この働きがしっかりしていると
①呼吸が深くなる
→肺が上下に伸縮することで、酸素と二酸化炭素の入れ替えがスムースに行われる
→肺の伸縮活動は、血液循環のとても大きなポンプになって、身体中の循環がスムーズになる
②消化器系の活動が活発になる
→お腹は横隔膜が上下することで自然とマッサージされて活性化する
③腹圧がしっかりして背骨や骨盤が安定する
→背骨や骨盤はお腹の圧力(腹圧)があることで、初めて安定する
→猫背もお腹に腹圧がないことから起こしやすい
④頭に意識と血液が集中しずらくなる
→最近の社会では頭が働きやすく、頭に血液が集まりやすい
→横隔膜が”上下”に働くことで、身体の意識と血液が身体にも分散しやすい
→自律神経がリラックス(副交感神経優位)に向かい、内臓が活性化する
こんな風に全身的にも本当に影響があるんです!
食事は1日3回で事足りますが、呼吸は2分も止まったら
下手したら生命にかかわる、、、それくらい重要度が高い活動ですよね。
常に行われている「呼吸」活動で全身にこんなにも変化が出るのだとしたら
肺が”上下”に使えたら私たちの身体は、
きっと今あなたが思っているよりはるかにポジティブになるはずです!!
是非、肺を”上下”に使う=”横隔膜”呼吸を見直していきたいですね!
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それでは、
肺を”上下”に使う横隔膜のイメージを使ったトレーニングをご紹介します。
以前のコラムでも紹介していますが、
体幹のエネルギーの流れは8の字に流れています。
これをわかりやすくするために
鎖骨・肩甲骨・恥骨・仙骨(仙腸関節)をランドマークにしていきます。
《身体が反るときのエネルギーの流れ》
仙骨が上に上がる→(胸腰移行部で前に向う)→鎖骨が上に上がる
↑ ↓
恥骨が下に下がる←(胸腰移行部で後に向う)←肩甲骨が下に下がる
この流れは息を吸ったときに、肺が”上下”に広がってくるときに起こるエネルギーの流れです。
肺が”上下”に広がることで、身体が”前後”にブレることなく
軸を保ったまま、腰に反りが出て、鎖骨が上がって胸が開いて身体が”上下”に連動していきます。
息を吐いている時には、この全く逆のエネルギーの流れと連動が起こります。
これを踏まえて横隔膜をイメージしてトレーニングしていきましょう!
横隔膜は肋骨の下を覆うように存在しているので、
手を横隔膜だとイメージして肋骨の下の位置に水平に置きます。
②息を吸うとき→手(横隔膜)を下げていきます。
この時には息を吸いながら手(横隔膜)をさげていくことで、手が下がったところまで肺が”下”に広がるイメージで手(横隔膜)の動きと呼吸をシンクロさせていきます。
この時、手(横隔膜)が下がるのと同時に、鎖骨を真上に引き上げるように操作します。
※鎖骨の他にも上で紹介した4つのランドマークをそれぞれ操作しながら行います。
この時には息を吐きながら手(横隔膜)をあげていくことで、”下”に広がっていた肺が、縮んで上に戻っていくイメージで手(横隔膜)の動きと呼吸をシンクロします。
この時、手(横隔膜)が上に戻るのと同時に、引き上げた鎖骨を戻します。
※鎖骨の他にも上で紹介した4つのランドマークをそれぞれ操作しながら行います。
このトレーニングを行うときの注意点は、
・手の動きが横隔膜の動きというイメージをしっかりとって、手が下がったところまで肺が広がっていって息が入るようにすること
・ランドマークの操作をするときに、”前後”にブラさずに”上下”に動かすこと
です。
手(横隔膜)の”上下”の動き=肺の”上下”の動き
と体幹(ランドマーク)の”上下”の動きを連動させるトレーニングになります。
こうすることで、呼吸を全身で行うイメージができてきます!
・体を窮屈に使う
・体幹を使えるようにする
・鼻呼吸=横隔膜呼吸をしっかり身体で行えるようにする
ことで身体の内外にとても効果が高いトレーニングになりますので、
是非やってみてください!!
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