今回は『腕の意識を変えてみよう!』というテーマで考えていきます。
特に、今回のターゲットにするのは「橈骨(とうこつ)」という骨です。
この骨の感覚を高めていくと、
腕の深い部分から動きと弛みが出てくるので
身体の連動性や血液循環を介して、
呼吸や肩こり、さらに体幹の軸もしっかりしてきます。
「橈骨」、、、
なかなか聞き慣れない骨かもしれませんが、
どこにあるか分かりますか?
ここです!!
「橈骨」はいわゆる前腕に2本ある骨の外側の骨です。
この骨の大きな特徴は、
”手首を捻る”動作の主役になるということ。
「橈骨」は内側にある「尺骨」に沿うように回転する構造になっています。
私たちがパソコンを打つとき、ペンでものを書くとき
必ず、手のひらが下を向くのは、手首が捻れるからですね。
そしてもうひとつ見ておきたい特徴があります。
「橈骨」のカタチをよく見てみてください。
肘の関節は内側の「尺骨」がしっかりとした関節を作っています。
なるほど「橈骨」は「尺骨」に比べて細くなっています。
一方で、手首の関節はむしろ「橈骨」のほうが骨も太くなり、
関節のメインの存在になっています。
『骨』というのは組織は基本的にチカラや重さというエネルギーを受けると
それに対応して大きく成長・発達する特徴があります。
つまり、
手と腕を伝わるチカラ(エネルギー)は
「橈骨」⇄「尺骨」の間で受け渡されるように使うこと
が大事なポイントだということがわかります。
実は、、デスクワークやゲームが幅を利かせる現在の暮らしは
知らず知らずのうちに
”捻る”という[動き]に重きが置かれ過ぎてしまって、
[受けて支える]ことの質が忘れられやすくなっているのです。
これ、身体にとって大問題なんです!!
試しに、下の図のように手を後ろについて座ってみて下さい。
床につく接点は、[小指側の手のひら]、、、
つまり[尺骨]側で、身体の重さを受けている人がほとんどだと思います。
この時の、身体に感覚を向けてみて下さい。
・肩甲骨が上にスライドして持ち上がっていませんか?
・背中が丸まって、胸やお腹がつまってしまっていませんか?
今度は、同じことを「橈骨」側に意識を置いてやってみましょう。
①手首をしっかり返して、②親指側の手のひらを突き出すように意識します。
そしてその場所で後ろに手をついてみます。
さっきと同じように身体に感覚を向けてみて下さい。
・肩甲骨がさっきみたいに上がらなくなっていませんか?
・背中もさっきより丸くなりづらくなりませんか?
これが「橈骨」を意識した場合の身体の連動性です。
「橈骨」を意識すると、
「橈骨」と「尺骨」が機能的に繋がって、肩や背骨まで連動してきます。
「橈骨」と「尺骨」の間の深い所まで活性化して血液循環がよくなります。
ちょっと長くなりましたので、続きはまた次回にしたいと思います。
是非、手の付き方を意識して、身体の感覚を味わってみて下さいね。