前回に引き続き今回は、呼吸というのがいかに”全身運動”なのか観てみたいと思います。
”呼吸”という活動を”陰陽”で観てみると、
酸素(O2)という”陰性”を取り込んで、二酸化炭素(CO2)という”陽性”に変えて環境に返す
という風に観ることができます。
→私達の存在自体が環境を陰性→陽性に変える[環境のシステム]
→身体に熱や老廃物(陽性)が籠りすぎないように[”陰陽の”バランスをとるシステム]
こんな風にも捉えることが出来ると思います。
とても面白いですよね!!
その証拠というわけではないですが、整体でも、
呼吸に関連のある場所として「足首」や「腰の反り」「皮膚」などを調整に使います。
①足首の可動性(ゆがみ)がそのまま呼吸器に影響する
足首が呼吸器の重要ポイントになるのは、
足首が地面の真上に身体を乗せる土台としての最初の”砦”になるから。
呼吸器の象徴でもある”肺”が働くためにも、
背骨が重力の下で安定していて肋骨などが自由に動ける必要があります。
その安定性の大本になるのが、足首というわけです。
だから、足首の捻挫ぐせがあったり、よくヒールを履いている女性は
足首の可動性が低下することで、背骨の土台がなくなり、
呼吸器の働きが落ちてしまっているケースがたくさんあります。
②腰(腰椎5番)の反りが”呼吸力”をそのまま反映する
腰椎5番は背骨の出発点であり、
胸郭を伸びやかに使うための身体の反りを作る最重要の土台となります。
腰が安定してしっかり反っている身体というのは、
姿勢がよい→頭を真上に乗せることができて、胸がしっかり広がる
つまり「呼吸力が高い身体」といえます。
腰椎5番は身体の前後運動→「かがむ」「反る」
の中心になる場所として存在していることから観ても
”呼吸力”=「背骨(腰)を反る力」と言い換えても差し支えないと思います。
③皮膚は”皮膚呼吸”を行なう物質交換の最前線だった
呼吸器と言えば”肺”を中心としたガス交換システムですが、
もともと海で過ごしてきた私達の先祖が
上陸する際に獲得したといわれるのが”肺”呼吸です。
そもそものルーツを追っていくと
海の中で鰓(えら)を使って行なうガス交換システムに、、、
もっと遡ると、、、
「皮膚=環境と接した場所」から直接ガス交換をしていました。
そんな進化の過程で”肺”呼吸は
”鰓(えら)”呼吸や”皮膚”呼吸と違って、
呼吸専用の筋肉組織はほとんど持たずに、身体を動かすための筋肉を
拝借して使うような少し不安定なシステムになっています。
もともとの物質交換の場所であった皮膚は、
未だに私達に取って欠かすことが出来ない物質交換の場所です。
こうして観てみると、「呼吸」という活動は
全身がそれぞれの役割を果たしながら、身体全体で行なわれることがよくわかりますね。
→全身を”支える”軸や使い方をシンプルにする
→前後運動を中心にした腰の反り力を高める
→全身の皮膚をリリースし活性化する
こんなことが安定した呼吸力にはとても重要になります。
呼吸器は喘息や肺炎の他にも、
無呼吸症候群などの呼吸障害やアレルギーにも影響が深いと言われています。
呼吸は全身運動!!
マクロな視点から呼吸を見直していくと
自律神経系やホルモン系、免疫系など身体の本質的な機能までしっかり変わっていきます。
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