今回のテーマは『呼吸器を強くする!!』です。
「呼吸器が弱くて」喘息や肺炎などにかかったことがある人は存外多いです。
さらに無呼吸症候群などで呼吸が止まってしまう方や…
アレルギー体質は呼吸器の弱さが影響しているともいわれています。
呼吸というのは、おそらく皆さんの想像している以上に全身的な影響力と働きを持っています。
今回は、呼吸器を強くするという視点から、いくつか考えてみたいと思います。
①呼吸器はガス成分(気体)の”消化器”
私達が生きていくのには、いろいろな栄養素が必要になるのですが、
これには気体成分も固体成分も、液体成分もあります。
呼吸器はその中の気体成分の栄養素を取り入れ、排出する場所です。
つまり、そもそもの意義は「気体成分の消化器」ということ。
消化器は食べ物を消化吸収するのに必要な長い腸管を持っています。
一方、気体成分は食べ物のように時間をかけて消化しなくても
身体に取り入れることができるので、
消化器とは一線を画して取り入れ口(口や鼻)に近い胸の部分に存在します。
でも、そもそも消化器と同じ内胚葉由来の組織なので、消化器系の働きが悪くなると、
必ずその影響は呼吸器にも連鎖して、機能が低下します。
つまり”呼吸力”を高めるには、消化器の働きを高めることが近道です。
②呼吸器は大器晩成型の臓器
呼吸器は生きるのにとても重要なのに、というか重要だからこそなのか…
小学校を卒業する12歳くらいまでの時間をかけてゆっくり成長すると言われています。
だから、呼吸器が成長過程にある子供のときほど環境や栄養状態にとても敏感なのです。
私もそうでしたが、鼻炎や鼻づまりや喘息など子供のころよく見られる
”鼻”の症状は「呼吸器」の不調もしくは力不足で起こりますが、歳と共に
呼吸器が強くなるのに合わせて改善していくのが普通です。
でも、呼吸器の成長を妨げる要因がある場合は、
呼吸器が強くなれずに弱いままというケースも少なくないと思います。
そんな大器晩成型の呼吸器を強くするのにポイントは、
- 横隔膜を使った「鼻呼吸」をしっかりマスターすること。
- そして、炎症体質にならないように気をつけること。
呼吸の仕方をしっかりと見直して、働きを妨げないようにしてあげたいですね。
特に炎症体質にならない一番のポイントは、
お腹を冷やさず食べ過ぎないこと、つまりお腹を大事にすることなんです!
人間を除く動物は、実は、”鼻呼吸”しか基本的に出来ない構造になっているそうです。
私達,人間は「話す」ことを覚えた故に、
それと引き換えに”鼻呼吸”がド下手になってしまったと言われています。
ということで、
なるべく子供の頃から”鼻呼吸”を覚えられれば一番いいのですが、
大人になってからでも”鼻呼吸”を覚えることで呼吸器はとても強くなります。
「呼吸を強くするためには」、、、
と考えた時に深呼吸をするとか、胸を張るということがまず意識しやすいのですが、
そもそも呼吸器の特徴を理解すると、
もっと違ったアプローチがたくさん見えてきますよね!!
整体的に身体を観た場合でも、呼吸器というのは”全身運動”ということがよくわかります。
少し長くなってしまったので、次回はそんな視点から少し考えてみたいと思います。