前回のコラム『ミトコンドリアってなに?』で、ミトコンドリアが舞台となるエネルギー産生力はすごいことを書きました。
前回触れたポイント2つを確かめていきましょう。
①酸素が必要
酸素を取り込んで、二酸化炭素を吐き出す呼吸はそもそもミトコンドリアのために行なっているといえます。
呼吸力をしっかり安定させることがミトコンドリアの能力を引き出します。
呼吸に関わる機能として
肺の働き、胸郭の可動性、横隔膜の可動性などはとても大事なポイントです。
全身の細胞の中にあるミトコンドリアに届くためには体液の循環も大事。
この点でも呼吸器の伸縮がおおきなポンプになります。
②ミトコンドリアの活動はゆったりとした性格
ミトコンドリアは酸素を使って、ゆったりと行なわれます。
緊張状態だと息を詰めやすくなって、酸素を使わない瞬発的なエネルギー代謝(解糖系)がメインになります。
現在の世界はパソコンが発達して情報の肥大化・高速化が進むことで、
否応無しに人間の生活も情報処理(頭)中心で・時間の流れが速くなっています。
リラックス=副交感神経の優位性がとりずらい環境になっています。
自律神経を調整するのに有効な場所として
頭蓋骨や仙骨の調整や皮膚、内臓の調整などは大事なポイントです。
さらにミトコンドリアの特徴を2つ挙げていきます。
ひとつは身体の運動特性によってミトコンドリアの多い・少ないには差があるということ。
簡単にいうと、
- 瞬発的に活動する・使われる組織にはミトコンドリアが少ない
- 持続的に活動する組織にはミトコンドリアは多い
つまり身体の代謝効率を高めるためには、持続的に活動する組織を活性化させるとよいことが分かります。
持続的な活動が行なわれる場所…
内臓や脳、姿勢維持などに働くいわゆる深部筋など
実は、これらは基礎代謝を高めるメインキャストと重なります。
もうひとつはミトコンドリアでは脂質も効率的にエネルギーにできるということ。
ウォーキングなどの有酸素運動は脂肪の燃焼に効果が高いと言われますね。
内臓脂肪が病気のリスクの指標にされますが、ミトコンドリアが多い内臓に優先的に脂肪がつくということの矛盾に気がつくと思います。
呼吸力を高めて、心身をリラックスした状態に保つこと!!
そして内臓や深部筋などの生命のコアな機能をonにすること!!
これってこのコラムでも再三お伝えしていることと重なりますね。
やっぱり身体は連携して、連動して”生きている”んだと分かります。