前回のコラム『『膝下の捻れ』から見えるもの』では、
足首の底屈と背屈という動きに『捻れ』が付きまとうという話を書きました。
つま先を突き出すような底屈主体の足首の使い方には必ず『内側への捻れ』が付いてきます。
内側への捻れが骨格に反映してくると
内くるぶしが『前』に、外くるぶしが『後ろ』に歪む
外くるぶしを作る『腓骨』が下に落ちてくる
ということになってしまうのです。
底屈を強調して足首から内側を向いてくると、
外くるぶしが後ろに歪んで、その周辺が飛び出してきます。
するとその周辺の組織の流れが阻害されて皮膚に異常が出てくる人もいると思います。
この歪みを抱えたまま歩くと大抵は靴の外側が減りやすくなります。
外側からついた反動で着地時に内側の親指側に大きな衝撃と負担が加わることで、外反母趾に繋がるのです。
さらに上に目をやると…
内くるぶしが『前』に、外くるぶしが『後ろ』に歪む
外くるぶしを作る『腓骨』が下に落ちてくる
この歪みは足首が『外側に捻れ』を生じているので、O脚傾向を引き起こします。
この外側に開いていく捻れを”膝”で補正する人は、膝が内側に入ってX脚傾向になっていきます。
このように人によって”捻れ”を補正する場所が異なることで違う傾向になりますが、
元を辿っていくと”膝下の捻れ”がしっかり見えてきます。
さて、それでは簡単な体操をご紹介します。
・長趾伸筋(ちょうししんきん)に意識をつける体操
つま先優位の主動筋となっている前脛骨筋と後脛骨筋は脛骨を前に、腓骨を後ろに引っぱりやすい特性があります。
長母指伸筋は腓骨の前から第2足趾〜第5足趾に繋がります。
この筋肉にしっかり意識が伝わるとしっかり第5足趾側も背屈して、足首の捻れが解消されてきます。
〈方法〉
小趾(こゆび)側の4趾を内くるぶしに近づけるように背屈(甲を上げる)する。
ポイント1:太腿と足の方向を合わせて行なう。
太腿と足の方向を合わせることで足首の動きの軸をしっかり保つことができます。
ポイント2:踵はしっかり足の幅の中心で接地する。
こうすることでさらに足首の動きの軸をしっかり保つことができます。
足首のすねの骨の上に出てくるのは前脛骨筋の腱です。
長趾伸筋の腱はその少し外を走行します。そして小趾側の4趾に腱が浮き出てくることを確認しながら行ないます。
ポイントをしっかり意識して行なうと、つま先を挙げた時に足底が地面と平行になってきます。
つまり小指側の足底もしっかり床から持ち上がってくるような足の上げ方になっていると思います。
この動きで『足首の捻れ』を改善して『長趾伸筋』がしっかり働くようになります。
・踵(かかと)を意識した正座
足首が底屈優位になって足首に捻れが出ていると正座した時に踵(かかと)が外側に位置するようになります。
正座が膝に悪いということが言われますが、身体をきちんと折り畳めればそんなことはありません。
日本人が長いこと大事にしてきた座り方です。
これは足を折り畳む柔軟性とそれを可能にする腰の柔軟性が可能にする素晴らしい座り方です。
正座を見直すことで、腰や股関節の柔軟性も高めることができます。
ポイント1:踵をできるだけくっつけるようにする。
これが難しい人は足首の捻れがとても強くなっている証拠です。
踵をなるべく近づけることで足首の硬直した『つま先優位』の構造に働きかけることができます。
ポイント2:座骨を踵の後ろに引っ掛けるようにする。
座骨にしっかり状態の重さが落ちるようにします。その座骨が踵に引っかかるように位置すると、自然と骨盤が立って、背骨がしっかりと支えられる構造となります。
『膝下の捻れ』は身体を支える地面との接点になる足の裏、特に踵(かかと)や足首の問題が現れます。
この場所にしっかり意識を落とし込むことで、シンスプリントや足のいろいろな症状、股関節の動きに、さらに体幹にまでポジティブな影響があります。
しっかり『膝下の捻れ』を解消していきましょう!!
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