暖かくなってきて一番心地よい季節でもあり、
以前に比べて身体のために、健康のために歩いている人がどんどん増えているみたいですね。
どういう風に歩くのがいいのか?ということを最近はよく聞かれます。
様々なメディアで様々な方法論が紹介されていますが、本当は何が大事なのか、、、。
大股で歩いた方がいいとか…
肘を曲げてよく振った方がいいとか…
地面を蹴って歩いた方がいいとか…
皆さんは、どう思われますか?
これらの指摘は、アバウトなので人によってはプラスにもマイナスにもなり得ます。
そもそも「歩く」というのは移動の手段ですが、
基本的には食料を得るために、[内臓]を移動していくための手段でした。
だから「歩く」というのは
[内臓]を安定させた状態を保ちながら(バランス)、移動させていく(アンバランス)という
一見矛盾したバランスの操作が必要な行動であり、
いかにこの絶妙なバランスを取るかというのが、「歩き方」の善し悪しの基本にあると思います。
[内臓]を安定させた状態を保つというのは、簡単に言うと「姿勢が良い」ということ。
「姿勢がよい」というのは、重力の下で体幹が安定していて、
内臓を圧迫することなく、しっかり引き上げて安定させている形です。
つまり、
「歩く」というのは「内臓」を安定した状態で運ぶために、
前に出した片足ごとに「立つ」→「立つ」→「立つ」→「立つ」…
というふうに重力の下でしっかり「立つ」という行為が続いていく行為とも言えます。
もちろん
がんばって胸を張るとか、腰を反るという意識的に作る姿勢の良さとは違います。
なので極論を言えば、
立った状態で良い姿勢が保てなければ、よい「歩き方」は難しくなります。
重力の下で「立つ」という「姿勢」の大事さが改めて重要さを帯びてきますね。
逆に、「歩く」という行為を足を交互に前に運んでいく運動と捉えてしまうと、
手や足の小手先の使い方にフォーカスされてしまい、様々な細かい方法論に振り回されやすくなります。
ところで、
私達の身体を動かす筋肉という組織は大まかに分けて2つの性格に分けられます。
ひとつは、
内臓の働きを最優先に考えて、全身のバランスや動きをコントロールする筋肉。
これは、
比較的身体の内側にあるいわゆるインナーマッスルが中心の筋肉群で、
身体の軸(体幹)を中心に全身の動きを生み出す性格を持っています。
もうひとつは、
とにかく動くことを優先させて、強引にでも身体の動きを作り出す筋肉。
これは、
身体の外側にある比較的ボリュームの大きな筋肉で、
多少強引にでも手足の動きを生み出すことができる性格を持っています。
もうお分かりかもしれませんが、
当院が提案している「歩き方」は
・できる限り身体の軸と連動性を生かす筋肉(インナーマッスル)を使って行なう
・生命の中心となる[内臓]への負担を最小限にバランスを大切にして行なう
こんな身体のバランスを大切にした「歩き方」です。
こんな「歩き方」ができると結果として身体の軸のぶれが少なくなるので、
必要最小限の力で歩くことができるので、疲れにくく身体に優しい移動手段になります。
足の疲れが劇的に溜まりづらくなり、さらに全身の血液循環まで良くなります。
少し長くなりましたので、次回は、もう少し具体的な方法論として考えていきます。