前回のコラム『骨盤が大事な訳。』から骨盤のことを考えています。
骨盤は力学的に足の2本の軸と背骨の1本の軸を繋げる特別な場所。
前回のポイントは
①腸骨が斜め下から仙骨を『下支え』する
②身体がどんな状態にあるかを感知する
③直立二足歩行の人間の骨盤は縦に短い
ということについて触れました。
今回もさらに骨盤のポイントを挙げてみます。
④人間の骨盤は内臓を下支えする
直立になって内臓重力の受け方がガラッと変わりました。
本来、内臓の活力がある時は、内臓は風船のように張力があってあるべき場所で蠕動運動を行なっています。
でも人間の場合は身体を立てて使っているので、
内臓の活力が低下してくると、張力が無くなって骨盤の上に”落ちて”きてしまいます。
これが『内臓下垂』といわれる状態です。
内臓下垂は骨盤を上から押し広げるので骨盤は開きやすくなります。
⑤仙骨は副交感神経の働く場所
副交感神経はリラックスしているときに働く自律神経です。
仙骨は頭と共に劇的に身体を整えることができる急所として知られています。
それは頭と仙骨が副交感神経の急所だからです。
副交感神経(リラックス)=呼吸が深くなる=全身が呼吸と連動する
本来は呼吸のたびに頭の骨の繫ぎ目は呼吸に連動して0.5mm程度動きます。
仙骨も呼吸のたびにお辞儀するように連動します。
逆にこの頭と仙骨が動くように調整すると、呼吸が深くなって副交感神経が働くようになります。
⑥仙骨の動きが脳や脊髄を養う
脳や脊髄などの中枢神経は『脳脊髄液』という液体の中に浮いています。
実は、『脳脊髄液』の循環を生み出す原動力は頭と仙骨の動きなのです。
だから骨盤の動きが神経系に直接影響します。
骨盤の歪み=位置の異常
という単純な構図では根本的に骨盤矯正が達成されづらい理由はここにあります。
私たち、人間の骨盤はとてもスゴいのです。
身体の様々な負担を一手に引き受けます。
だからこそ、様々な角度から骨盤を観つめてあげることが大事です。
骨盤がしっかりすると、身体も心も大きく安定してしまいます。
これが整体が目指すひとつの大きな目標でもあります。