今回は身体のアーチ構造について考えてみます。
2.アーチ構造は足の裏にも、背骨としては腰や頸の部分の”反り”を作る構造にも
足の裏のアーチ構造は、前回の踵を使うことと密接な関連性があります。
アーチ構造になっている特徴・意義は弾力性を生むということ。
衝撃に対してのクッション機能そして、それから生まれる反発機能の2つです。
足の裏は踵、親趾(母趾球帯)、そして子趾(小趾球帯)の三点で身体を支えるようになっていますが、
その中間・中心として内くるぶしがある”頸骨”が存在しています。
つまり理想的には立っている時に支えなければいけない重力は頸骨を伝わって降りてきて、
足裏のアーチ構造によるクッションによって、
踵(かかと) 、親趾(母趾球)、そして子趾(小趾球)の三点に分散されるようになっています。
アーチによるクッションはアーチの真ん中に重さがかかるときにしっかり機能するので、
端に重さがかかっても、効果的に機能しません。
だから、
例えば母趾(おやゆび)に極端に掛かった時はクッション機能が使えず、
行き過ぎた場合は、部分的に過剰なストレス刺激となって
外反母趾のような骨が変形してしまう要因にもなってしまいます。
小趾(こゆび)に掛かった場合、踵に掛かりすぎた場合も同様にアーチ構造の特徴が使えていないということになります。
腰や頸のアーチ構造は”脊柱のS字カーブ”の中に組み込まれてよく説明されています。
アーチ構造はその上に乗る構造に対してしっかりクッション機能を発揮します。
頸のアーチはその上に乗せる頭の重さをしっかり”上下に受け流す”ためにアーチ構造となっていますし、
腰は骨盤と一緒になって、その上に乗る上半身の重さを”上下に受け流す”ためにアーチ構造になっていて、骨盤で上体全体の支える構造になっています。
背骨のアーチは足裏と違って上下に重力を受けます。
そんなアーチを作る構造として大事なのは一番上と一番下、そして真ん中です。
この上・中・下でしっかりとした反りが作られています。
腰で言えば腰の骨は5個あるので、腰椎1番(L1…一番上)、3番(L3…真ん中)、5番(L5…一番下)、
頸の骨は7個あるので頸椎1番(C1…一番上)、4番(C4…真ん中)、7番(C7…一番下)です。
アーチ構造がしっかりしているということは重力にしっかり対応している証拠です。
その重力への対応の仕方が結果として”姿勢”という形になって見えます。
自分で姿勢を確かめるときによく壁に背中をつけて
後頭部・背中・お尻・踵がつくように立つというのはよく聞きます。
でも、それでは壁がないと維持できない姿勢になってしまいます。
姿勢を良くしていく時にいいチェックになる点がいくつかあります。
・恥骨とおへそが上下フラットになる
・その延長線上に肋骨までしっかり上下フラットになる
肩甲骨の上側と鎖骨の位置が水平(フラット)になる
身体は重力をきちんと”上下”に受けられると、それだけで自律神経系も姿勢も自然と良くなっていきます。
重力を味方につけられるような立ち方を是非身につけたいですね!