前回のコラム『基礎代謝を上げるには?』では筋トレの例も交えて基礎代謝を広く考えました。
今回のテーマは『基礎代謝のキモ』についてです。
基礎代謝の最大のポイントは
何もせずじっとしていても、常に行なわれている活動の質を高めること
です。
盲点になりやすいポイントは
スポーツや筋トレなどの【運動】だけではなく、
呼吸・消化・心臓の動き・体温調節・姿勢維持などの無意識な活動も【運動】
という点ではないでしょうか?
『何もせずじっとしていても常に行なわれている活動』という最大のポイントの性格に合うのは…
後者の呼吸・消化・心臓の動き・体温調節・姿勢維持などの無意識な活動も【運動】
です。
これらの質を高める方法論が現在ではとても分かりにくくなっていると感じます。
ところで意識で制御している活動は【錐体路系】と呼ばれる神経がコントロールしています。
一方、無意識で行なわれている活動は【錐体外路系】の神経系がコントロールしています。
【錐体外路系】は神経として実態のある体系としては存在していないのですが、
生命活動を無意識でコントロールしている体系の総称として使われています。
実は、整体という技術は【錐体外路系】をメインターゲットにする技術です。
なので基礎代謝は【錐体外路系】の見直しといっても差し支えありません。
細胞レベルで観たときの基礎代謝のポイントは
- 細胞がしっかり活動していると私たち恒温動物は代謝熱=【体温】が出てくる
- 代謝熱【体温】は細胞ごとで貸し借りが出来ない
ということ。
ひとつひとつの細胞が個別にしっかり活動して【体温】が作られます。
生命の活動は、すべて細胞の活動です。
しっかり活動できていない場所は
【冷たくなる】…代謝熱が出ないから
【脂肪がつく】…代謝に必要な栄養が溜まるから
【組織の硬直】…過剰労働では硬くなり、使えなくなると退化
整体では身体に表れる【冷たさ】や【柔軟性】を指標にして身体の状態を観ていきます。
私たちの身体は60兆と言われる細胞の集合体ですが、全ての細胞がそれぞれにしっかり生きていなくてはいけません。
【さぼって】いたり、【休んで】いる場所が多くなると代謝が行なわれないので基礎代謝は下がっていきます。
基礎代謝が落ちている例としては、内臓脂肪がつく【隠れ肥満】があげられます。
今までの流れから簡単に考えても、内臓の活動が落ちていてお腹が冷えている状態と考えられます。
内臓脂肪型の肥満は、重い病気にかかる確率が高いと言われます。
内臓が血液を作って・奇麗にして・血液循環の原動力にもなっている
ことを考えたら重い病気のリスクも納得できませんか?
基礎代謝を無理なくあげるための『キモ』は
【呼吸】【消化】【心臓の動き】【体温調節】【姿勢維持】
無理なく自然に全ての細胞がこれらの活動に参加できるように身体を
リモデルしていくことです。
【過労細胞】と【さぼり細胞】を無くしていく作業とも言えます。
実は、細胞は生きるために発生してきましたので、好き好んで【さぼる】ことはありません。
【働きたいのに働けない】状態になっていることを理解するべきです。
これは【伸縮性・柔軟性のある身体つくり】とも言い換えられます。
基礎代謝が高い身体は、生きていることがとても心地よい身体なのです。